2007年ニュース

超低硬度タイプの放熱用シリコーンゴムシートを開発

凹凸のある発熱面でも優れた放熱効果を発揮

信越化学工業株式会社(本社:東京 / 社長:金川千尋)は、このほど新たに超低硬度タイプの放熱用シリコーンゴムシート「TC-SP-1.7シリーズ」を開発・発売した。同製品は、これまでの当社低硬度品に比べ硬度が約1/10(アスカーC:硬度2)という超低硬度品で、しかも1.7W/m・Kの高い熱伝導率を実現したことが大きな特長。従来品に比べ柔らかく、密着性が良いため、凹凸のある発熱面でも優れた放熱効果を発揮する。また、段差のある面にも対応できるため、製品設計の自由度を高めることができる。

標準シート品の厚みは、0.5, 1.0, 1.5, 2.0, 2.5, 3.0, 4.0, 5.0mmの8種類。また、サイズは300mm×400mmで、より小さなサイズのハーフカット加工にも対応できる。

シリコーン系の放熱材料は、アクリル系などの他の材料に比べて耐熱性や長期信頼性に優れ、さらに高い難燃性(UL-94 V-Oを取得)を有するため、電子機器の信頼性向上に貢献している。

放熱シートの材料は、CPUなどの発熱体と放熱器の間に挟む熱伝導性の材料で、パソコン、家電、ゲーム機器のほか、エレクトロニクス化の進む自動車の電装品の発熱対策などに需要が拡大している。また、電子機器の小型化、高性能化に伴い、放熱材料に対するニーズはさらに高まっている。

信越化学では各種ゴムシートのほかに、グリースタイプ、ゲルタイプ、接着性を有した液状ゴムタイプなどの各種放熱用シリコーンをラインアップ。用途に合わせさまざまな放熱課題に対応することが可能で、今後も高度化する市場のニーズに合わせて製品開発を行っていく。

シリコーンは、有機と無機の特性を兼ね備えた高機能樹脂。電気・電子、自動車、建築、化粧品、化学など、幅広い産業分野で高付加価値を付与できる製品として使用されている。

参考資料

■ 一般特性

項目 TC-100SP-1.7(厚み1.0mm)

灰色/赤褐色

標準シートサイズ

mm
300×400

標準シート厚さ

mm
0.5, 1.0, 1.5, 2.0, 2.5, 3.0, 4.0, 5.0

密度

g/cm3
2.32

硬さ

アスカーC
2

絶縁破壊電圧

kV
20

耐電圧

kV
16

比熱

J/g・K
1.04

熱伝導率

W/m・K
1.7

熱抵抗

℃/W
1.00

難燃性

UL-94
V-0

低分子シロキサン量

ppm
200(∑D3-10) 540(∑D11-20)
(規格値ではありません)
写真:超低硬度タイプの放熱用シリコーンゴムシート
超低硬度タイプの放熱用シリコーンゴムシート
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