2011年ニュース

高機能シリコーン複合パウダーを開発

高い吸油特性を発揮する画期的な化粧品材料を実現

信越化学工業株式会社(本社:東京 / 社長:森 俊三)は、このたびさまざまな油剤に対して高い吸油特性を発揮し、さらに優れた柔軟性と滑り性を併せ持つ高機能シリコーン複合パウダー「KSP-441、KSP-411」を開発、発売を開始いたしました。各種化粧品に配合することで、肌に柔らかくシルキーな感触を与えるとともに、皮脂などによる化粧崩れを防ぐ効果も期待できます。

シリコーン複合パウダーは、シリコーンゴムの粒子の表面をシリコーンレジンで被覆した当社独自の球状パウダーで、シリコーンゴムの柔軟性とシリコーンレジンの滑り性を兼ね備え、製剤中での分散性にも優れています。また、複合粉体であることから光の散乱効率が高く、肌の表面に塗布すると効果的に光を散乱させ、自然で美しい肌を実現するソフトフォーカス効果を発揮します。
このような特性から、感触の向上や高機能化の目的で、各種化粧品に使用されています。

当社がこのほど開発した新製品は、これまでの化粧品粉体原料と比べ、非常に高い吸油特性を示すことが大きな特長となっています。KSP-411は内側のゴム部分にたくさんの油を吸収でき、特にシリコーン系の油剤は自重の2倍以上を吸油することができます。一方、KSP-441は内側のゴム部分にアルキル基を有するため、特に有機系の油剤の吸収性に優れています。平均粒径はともに12µm。
この高い吸油特性を利用して、化粧品中の油剤を増粘させ、製剤の安定性を高める効果や、時間とともに分泌される皮脂を吸収し、化粧の美しい仕上がりを長時間持続させる効果などが期待できます。

同製品は、2011年5月25日~27日の3日間、パシフィコ横浜で開催される「第5回化粧品産業技術展」(主催:日本化粧品原料協会連合会)の信越化学のブースで展示を予定しております。また、同展では非常に滑らかで快適な感触を与える新規シリコーンゲル「KSGシリーズ」も紹介いたします。

信越化学では、各種化粧品にユニークな使用感触と、高い機能を与える特徴的な製品をラインナップ。今後もますます多様化する化粧品市場のニーズに合わせて製品開発を行ってまいります。

シリコーンは、有機と無機の特性を兼ね備えた高機能樹脂。電気・電子、自動車、建築、化粧品、化学など、幅広い産業分野で高付加価値を付与できる製品として使用されています。

参考資料

■ シリコーン複合パウダーの構造概念図
シリコーン複合パウダーの構造概念図

■ 製品の電子顕微鏡写真

KSP-441
KSP-441 電子顕微鏡写真

KSP-411
KSP-411 電子顕微鏡写真

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