シラン化合物
取り扱い上の注意取り扱い上の注意
品質・安全について
- 記載のシラン類は、ほとんどの製品が消防法の危険物第四類に該当します。使用時および保管時の火気の取り扱いには十分ご注意ください。なお、取り扱いに先立ち、必ずSDSをお読みください。危険物データベース登録確認証、SDSは当社営業窓口にご請求ください。
- クロロシラン類は、湿気に触れるだけで塩酸ガスを発生する非常に反応性に富んだ化合物です。このため、皮膚に付着したり、目に入らないように、ゴム手袋、ゴーグルなどの保護具を着用してください。万一皮膚、粘膜に付着した場合は大量の水で洗い、速やかに医師の診断を受けてください。また、蒸気を吸入しないよう、換気にも十分ご配慮ください。
- Si-Hを含むシランは、アルカリとの接触、または白金触媒存在下でアルコール、アミン等の活性水素を有する化合物と反応して水素ガスを発生します。反応容器および保管容器の耐圧や火気の取り扱いには十分ご注意ください。
- アルコキシシランの取り扱いに際しては、皮膚に付着したり、目に入らないように、ゴム手袋、ゴーグルなどの保護具を着用してください。万一皮膚、粘膜に付着した場合は、水で十分洗い流し、異常がある場合は医師の診断を受けてください。また、蒸気を吸入しないよう、換気にも十分ご注意ください。
- クロロシランの大規模な取り扱い、漏洩、火災などの事故対応、廃棄処理法などについては下記文献に詳しく解説されています。
ASTM Manual Series:MNL33 "Manual on Chlorosilane Emergency Response Guidelines" (John T. Higgins, Wilmuth E. Hubbs, Robert A. Kayser, Paul Kremer, Stephen W. MacMahan, Lee Patricc and Micheal Strong, editors 1998)
化学構造
信越シランは有機硅素化合物単量体（モノマー）で、その代表的な化合物は以下の構造を持ちます。
RaSiX4-a a＝0～3
R＝-H、-CH3、-C6H6、-CnH2n+1などの有機基
X＝-Cl、-OCH3、-OC2H5などの加水分解性基
反応性
当ホームページに記載のシラン類は、水、アルコール、アミンなどの活性水素を有する化合物などと反応します。
クロロシラン
クロロシランの反応性を次に示します。
M：アルカリ金属、アルカリ土類金属
アルコキシシラン（メトキシシラン、エトキシシラン）、シラザン
アルコキシシラン、シラザンも、水やアルコールなどの活性水素を有する化合物と反応します。なお、クロロシランのようには塩化水素を発生しないため、取り扱いが容易です。
用途
信越シランの用途は、医薬・農薬合成時のシリル化剤、塗料の改質剤、樹脂の改質剤など多岐にわたります。
| 用途 | シランの種類 | ||
|---|---|---|---|
| クロロシラン | アルコキシシラン | シラザン | |
| 医薬・農薬合成畤のシリル化剤 | ◎ | ◎ | |
| プライマー | ◎ | ◎ | |
| 無機物の表面改質 | ◎ | ○ | ◎ |
| 塗料の改質剤 | ◎ | ||
| セラミックス原料 | ◎ | ○ | ◎ |
| エレクトロニクス関連材料 | ◎ | ○ | ◎ |
| 樹脂の改質剤 | ◎ | ○ | |
◎：特に効果があるのも ○：効果があるもの
