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エマルジョン型・自己乳化型消泡剤の使用方法を教えてください

基本的には、発泡液や水などで事前に消泡剤を希釈した上で添加する方法(マスターバッチ法)を推奨しています。

添加しようとする液の種類、泡の性質や形態などにより、それぞれ使用方法を工夫すると、より優れた消泡効果が期待できます。

具体的な使用方法について

希釈

特殊な場合を除き、発泡液に対するシリコーン消泡剤の添加量は、1~200ppmと非常に微量です。このため、あらかじめ水や溶液、あるいは消泡しようとする液で希釈しておくと、添加量の調整が容易となり、分散させやすく経済的です。

オイル型、オイルコンパウンド型消泡剤

オイル型、オイルコンパウンド型の消泡剤は、溶剤で希釈して使用すると分散性もよく便利です。
溶液型消泡剤は、分散性を向上するために溶液で希釈してありますが、濃度が高くて分散が困難な場合は、さらに希釈してご使用ください。希釈溶剤は芳香族系、および脂肪族系炭化水素が適当です。

自己乳化型消泡剤

自己乳化型消泡剤は、水で5~10倍に希釈することにより、均一なエマルジョンを作ることができます。この際、希釈には30℃以下の水をご使用ください。なお、直接希望の濃度に希釈することも可能ですが、まず、同量の水を徐々に添加しながら撹拌し、希望濃度になるまで希釈したほうが安定したエマルジョンになります。さらに、各種の増粘剤を併用することにより、長期保存が可能なエマルジョンを調整することができます。製品および使用目的により、使用できる増粘剤は異なりますので、詳細については当社までご相談ください。また、内添用消泡剤として使用する場合も、まず、高濃度マスターバッチとした上で添加することをおすすめします。

エマルジョン型消泡剤

エマルジョン型消泡剤は、シリコーン分が10~30%のものがほとんどです。発泡系への添加量はシリコーン分で1~200ppm程度ですから、あらかじめ水で希釈して用いる方が分散性が向上し、より効果的で経済的です。
希釈倍率は、2~10倍が一般的で、これ以上希釈すると、オイル浮きなどの希釈不良が発生することがあります。また、希釈後はできるだけ速やかにご使用ください。保存中に液層が分離した場合、ゆっくり撹拌し、均一な状態にして使用すれば、消泡効果には影響ありません。

発泡系の液による希釈

特に、内添安定性を高めたい場合、または濃度の低下を避けたい場合は、マスターバッチ法が適しています。

添加量

一般工業用

適切な添加量を決定するには、まず発泡液に有効成分100ppm程度の消泡剤を加え、その消泡試験の結果から適当に増減していくのが有効です。添加量は次の通り算出します。

食品添加用

食品用消泡剤を食品に対して用いる場合は、食品衛生法の基準により、「食品1kgに対し、シリコーン樹脂として0.05g(50ppm)以下」でなければなりません。

添加方法

事前に発泡液中に添加しておく方法

発泡する可能性のある液に、事前に消泡剤を加えておき、泡を抑える方法です。密閉した容器や装置での消泡に効果的です。

連続的に滴下する方法

発泡液が入れ替ったり、流れているとき、発泡液に伴って消泡剤が消費されます。このようなときは、消泡剤を連続的に滴下していく方法が効果的です。

スプレーにより吹き付ける方法

スプレー法は、短時間のうちに大量に泡が発生するとき、あるいは一時的に発生した泡を消したいときに有効です。希釈した消泡剤を、エアーガン、スプレーなどで直接泡に当たるようにスプレーします。消泡剤が泡に打ち当たることによる破泡と、添加されて液中に分散した消泡剤による抑泡効果が相乗され、短時間のうちに大量の泡を消すことができます。スプレーガンのノズルの口径は太い方が効果的です。細すぎる場合は、ノズル詰まりを起こしやすくなります。また、消泡剤が霧のようになってしまい、あまり効果が出なくなります。

容器に塗布しておく方法

発生した泡を一定量以上増加させたくないときに有効です。発泡容器の内面にオイル型、オイルコンパウンド型、エマルジョン型消泡剤を帯状に塗布しておきます。泡が消泡剤の塗布面に達すると、その面で消泡されます。

発泡槽の中に消泡剤の入った容器を備える方法

発泡槽の中に、消泡剤を満たした容器を備え付けておきます。泡が上昇してきて容器に達し、消泡剤に触れると泡が消えます。この方法は、急激な発泡を起こすものには不向きですが、少ない発泡を一定量に抑えたいときに有効です。

粉体に処理して用いる方法

粉末型消泡剤、またはシリカなどの比重の小さい粉体にシリコーンを数パーセントコーティングしたものを、発泡液の表面に浮かせて消泡します。粉体への処理は、KF-96 (100~ 1,000mm2/s) を溶媒で希釈するか、またはエマルジョン型消泡剤を水で希釈してからミキサーの中にいれ、十分混合撹拌してから加温して、溶媒または水を蒸発させて除去してください。

添加方法イメージ図