2006年ニュース

高性能帯電防止技術を導入

~信越化学、帯電防止に優れた成形用シリコーンゴムを開発~

信越化学工業株式会社(本社:東京 / 社長:金川千尋)は、このほど新規に開発した高性能帯電防止技術で帯電防止に優れた成形用シリコーンゴムを開発・発売した。同製品は、長時間高温にさらされる用途でも帯電防止効果が持続することから、電気・電子をはじめ、事務機、自動車などあらゆる産業分野で需要が見込まれる。

当社が長年培ってきたシリコーンの技術を応用して新たに開発した同製品は、高温でも優れた帯電防止効果を発揮するほか、着色が自由にできる、電気絶縁性を維持するなど、基本物性は一般のシリコーンゴムと変わらず、優れた特性を兼ね備えている。また同製品には、一般タイプのKE-9490-Uシリーズと高強度材料タイプのKE-5490-Uシリーズがあり、それぞれ成形後のゴム硬さは40、50、60度の3製品を取り揃えている。

シリコーンゴムは、一般的に高重合度のシリコーンポリマーと補強性充填材とを含有する組成物。シリコーンポリマーやシリカなどの補強性充填材はそれぞれ電気絶縁性であり、これらを配合して得られるシリコーンゴムは各種物質との接触により帯電してしまう。これまでシリコーンゴムに帯電防止効果を付与する場合、帯電防止材としてポリエーテル系やカーボンブラックの充填材が使用されてきた。ポリエーテル系を使用した場合は、高温ではポリエーテルが分解してしまい、十分な帯電防止効果が得られないだけでなく、ゴム物性も低下してしまうという問題があった。また、カーボンブラックを使用した場合でも電気絶縁性を維持するのが困難で、外観色も黒色に限定されてしまうという制限があった。当社がこのほど新規に開発した高性能帯電防止技術は、こうした問題点を一気に解決したもの。

同製品は、電気・電子をはじめ、事務機、自動車などあらゆる産業分野で需要が見込まれ、当社ではまず搬送ロールやキーパッドの用途などで従来品からの切り替えを進めるとともに、新規用途の開拓にも注力していく。

シリコーンは、有機と無機の特性を兼ね備えた高機能樹脂。電気・電子、自動車、建築、化粧品、化学など、幅広い産業分野で高付加価値を付与できる製品として使用されている。

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