2023年ニュース

信越化学、車載向け高圧ケーブルの被覆材に最適な成形用シリコーンゴムを開発

高圧ケーブルの柔軟性向上と軽量化を実現

信越化学工業株式会社(本社:東京、社長:斉藤恭彦、以下「信越化学」)は、車載向け高圧ケーブルの被覆材に最適な成形用シリコーンゴム「KE-5641-U」を開発いたしました。

電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HEV)では、駆動システムの高電圧・大電流化が進んでいます。これにより、EV、HEV向けの高圧ケーブルには高い耐電圧特性が求められることから、従来の被覆材を用いた場合、絶縁性能を確保するためにケーブルの被覆層が厚くなるため、柔軟性が失われるという課題があります。一方、自動車メーカーからは配線作業がしやすい柔軟性に優れた高圧ケーブルが求められています。

信越化学が独自に開発した「KE-5641-U」は、これらの課題の解決に資する成形用シリコーンゴムです。同新製品が持つ高い耐電圧特性により、高圧ケーブルの被覆層を薄くしても絶縁性能を確保できます。また、被覆層の薄さはケーブルの柔軟性向上に繋がるとともに、ケーブルの細径化、軽量化を実現します。
主な特長は下記の通りです。

1) 業界トップレベルの高い耐電圧特性を実現。絶縁破壊の強さは40kV/mm。(当社従来品は26kV/mm)
2) シリコーンゴム製のため、耐熱性、耐寒性、耐候性、難燃性など、数多くの優れた特性を兼ね備えている。
3) 非シリコーン系の被覆材料と比較して、長期信頼性に優れている。

新製品は、車載以外の産業機械、鉄道設備、エネルギープラントなどに用いられる高圧ケーブルの被覆材にも使用でき、高性能化や信頼性の向上に寄与します。

信越化学は、これまで培ってきた技術力とノウハウを生かして高機能のシリコーン製品を開発し、供給することで顧客のさまざまな課題解決に努め、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

■ 参考資料

電気自動車に使用される高圧ケーブル
電気自動車に使用される高圧ケーブル
電気自動車に使用される高圧ケーブルの配線イメージ
電気自動車に使用される高圧ケーブルの配線イメージ

自動車用高機能シリコーン

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