シランカップリング剤の水への溶解性を高め、溶液の保存安定性を改良する方法は?
シランカップリング剤のアルコキシシリル基は、水に溶解するとシラノール基になります。
このシラノール基は不安定で、経時変化により縮合反応が起こります。この結果、シロキサン結合が生じて最終的にゲル化してしまいます。
一般的にシラノール基は水溶液中で不安定ですが、弱酸性領域では比較的安定です。
また、アミノシランはアミノ基との相互作用により、水溶液中で非常に安定になります。溶液の保存安定性を改良するために、液のpHを調整する、アルコールを併用する、室温以下で保管するなどの方法があります。
最適pHでの溶解性と安定性
製品名 | 溶解性(水溶液のpH) | 保存安定性 |
---|---|---|
KBM-1003 | ○(3.9) | 10日以内 |
KBE-1003 | ○(3.9) | 10日以内 |
KBM-303 | ○(4.0) | 30日以内 |
KBM-403 | ◎(5.3) | 30日以内 |
KBE-402 | ○(4.0) | 10日以内 |
KBE-403 | ○(4.0) | 10日以内 |
KBM-1403 | 不溶 | ─ |
KBM-502 | ○(4.0) | 1日以内 |
KBM-503 | ○(4.2) | 1日以内 |
KBM-5103 | ○(4.2) | 3日以内 |
KBM-602 | ◎(10.0) | 30日以内 |
KBM-603 | ◎(10.0) | 30日以内 |
KBM-903 | ◎(10.0) | 30日以内 |
KBE-903 | ◎(10.0) | 30日以内 |
KBM-573 | ○(4.0) | 1日以内 |
KBM-803 | ○(4.0) | 1日以内 |
*溶解性
◎: 水溶液のpHを調整することなく1%シラン水溶液を作成できる
○: 水溶液のpHを調整することで1%シラン水溶液を作成できる
不溶: シラン水溶液を作成できない
*保存安定性はあくまでも目安であり、使用条件、使用目的により異なります。