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シラン、シロキサン、シリコーンとは

シラン、シロキサン、シリコーン、それぞれの違いを知りたいのですが、まずシランについて教えてください。
シランとは、金属ケイ素を原料に主に直接法と呼ばれる合成法で作られるモノマーの有機ケイ素化合物のこと。この製造方法によって種々のクロロシラン類が同時に得られますが、なかでもシリコーン工業で重要なのは、ジメチルジクロロシランといわれるものです。これらのシラン類に特殊基を導入すると、医薬品の合成に利用される「シリル化剤」や有機と無機を結合する「シランカップリング剤」などの製品になり、加水分解・重合を行えば直鎖状ポリマーである「シリコーンオイル」が生み出されます。また、シランは、半導体シリコンの原料でもあり、工業用材料として重要なものになっています。
シロキサンとはどういうものですか?
シロキサンとは、ケイ素(Si)と酸素(O)が交互に結合してポリマーが形成された状態のことをいい、シロキサン結合と呼ばれるシリコーンの主骨格となっています。炭素結合(C-C)の結合エネルギーが356kJ/molであるのに対し、シロキサン結合(Si-O)は444kJ/molと大きく、非常に安定しているのが特長です。また、シロキサン結合は結合角が広く、らせん構造をしており、これらの分子構造がシリコーンの特長を生み出しているわけです。
それでは、シリコーンとは?
シロキサン結合に有機基がついたオルガノポリシロキサンをベースとした材料を総称して、シリコーンと呼びます。しかし広い意味では、酸素を持たないモノマーのシラン類や、有機ケイ素化合物すべてをシリコーンと称する場合もあります。
シリコーンポリマーは、シロキサン結合が主骨格であるため耐熱性や耐候性、化学的安定性などに優れ、さらに有機基(主にメチル基CH3)を持つことからはっ水性や離型性といった独特の界面特性をも備えているのです。
シリコーンとシリコンは違うものですか?
よく混同されるのですが、シリコンとシリコーンは別のものです。シリコン(Silicon)は半導体材料としてよく知られる元素の一つケイ素(Si)のこと。それに対して、シリコーン(Silicone)はケイ素をもとにつくり出された人工の化合物なのです。

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