Q&A

LIMSについて

LIMSとは何のことですか?
LIMSとは、Liquid Injection Molding Systemの頭文字をとった言葉で、液状シリコーンゴム射出成形システムのことです。これは、優れた特性を持つ液状シリコーンゴムと、この材料を精密・安定的に射出する成形機とを組み合わせ、A/B 二液の材料を装置にセットするだけで、材料の混合から成形までのすべてを自動化できる成形システムです。
LIMSの特長は何ですか。
大きく分けて、以下のような5つの特長があります。
  1. 材料自体の優れた特性
    耐熱性、電気絶縁性、高強度、難燃性、導電性などの特性を持ち、透明な製品だけでなく、着色も容易にできるため、幅広いアプリケーションに対応できます。
  2. 工程を短縮化
    液状シリコーンゴムを付加反応で硬化させるため、硬化速度が速く、成形時間を短縮化することができます。
  3. 生産性を向上
    材料が液状のため、低射出圧での成形が可能で、精密な部品の成形にも対応できます。A/B 二液の混合が正確に行われ、異物混入の可能性も少なく、高品質で効率のよい成形が可能です。
  4. 成形を自動化
    ノーバリ、ランナーレス成形にも対応でき、硬化後の離型性にも優れるため成形工程を自動化することができます。短いサイクルタイムでの連続自動成形も可能です。
  5. 環境への負荷が少ない
    硬化反応による副生成物がなく、ノーバリ、ランナーレス成形により廃材の処理が不要で、環境に優しい製造が可能です。
どのような成形装置を使うのですか?
LIMS用成形機の基本構成図
LIMS用の液状シリコーンゴムは、室温で粘度が50~3,000Pa・sであり、この粘度範囲に対応した成形機が用いられます。基本的には、定量射出ポンプユニットとダイナミックミキサーまたはスタティックミキサーなどの混合装置を備えた射出ユニットをコンパクトに組み合わせたLIMS専用射出成形機が使用されます。LIMS用成形機の基本構成は図に示します。
LIMSはどのような分野や製品に利用されているのですか?
液状シリコーンゴムのさまざまな特性により、キーパッド、哺乳ビン用乳首など、電気・電子、自動車、食品をはじめ、幅広い産業分野のニーズに対応しています。
LIMS選択接着材料とはどういうものですか?

エンジニアリングプラスチックには接着し、金型には接着しないため、インサート成形や二色成形によるシリコーンゴムとプラスチックの一体成形品を簡単に作ることができる材料です。従来、接着剤による貼り合わせや組み込みなど複雑な工程が不要になるため、工程を合理化できるとともに、信頼性の高い製品作りを効率よく実現できるものです。

※ 金型の材質、表面状態により、ゴムが接着する場合がありますので、量産前に必ず事前のチェックを行ってください。また、長期の連続使用により金型表面が変質し、接着してしまう場合もありますので、定期的なメンテナンスを推奨します。
選択接着対象のエンジニアリングプラスチックは、具体的には何ですか?
現在、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂用のLIMS選択接着材料が製品化されています。

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