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樹脂改質用シリコーンについて

樹脂改質とは、どういう意味なのですか?
「樹脂改質」とは、既成の樹脂を他の素材と複合化することによって、樹脂の弱点を解消し、機能をより高め新たな用途を開発するというもので、以下の3つの方法があります。
  1. 共重合・・・2種以上のモノマーを同時に重合させて、新しいポリマーを作る。
  2. ポリマーアロイ・・・ポリマー同士をブレンドし、新しい特性を生み出す。
  3. コンパウンディング・・・いろいろな配合剤を組み合わせて、目的の特性を生み出す。
シリコーンでも樹脂を改質できるのですか?
もちろんできます。樹脂は一般的に加熱時に軟化する熱可塑性樹脂と加熱時に硬化する熱硬化性樹脂の2つに分けられます。シリコーンは耐熱性、耐寒性、耐候性、電気絶縁性に優れ、消泡性、離型性、潤滑性、はっ水性などの特異な界面特性があるため、それらの性質を利用して熱可塑性樹脂の改質にも熱硬化性樹脂の改質にも利用されています。
具体的にシリコーンはどのような用途に使われているのですか?
熱可塑性樹脂にシリコーンオイルを添加することにより、成形時の作業性を改良したり、成形品の品質を向上したりすることができます。樹脂成形時は、樹脂の流動性の向上、離型性の改良などの効果を発揮し、成形品に潤滑性を付与することもできます。これらの効果により生産性が向上し、コスト低減、成形品の品質向上が図られるほか、シリコーンの特性を熱可塑性樹脂成形品に付与することができます。
また、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂の機械的特性や電気的特性を改良する目的で、シランカップリング剤が使われています。
半導体封止材として使われているエポキシ樹脂の熱応力緩和剤としてアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイルなどが使われています。
ポリウレタン樹脂をカルビノール変性シリコーンで変性することで耐寒性、表面はっ水性、潤滑性等が改良され、合成皮革や成形材料等に使われています。
そのほかにどのような用途がありますか?
最近ではシリコーン化合物を樹脂に添加あるいは反応させることにより、ポリマー骨格に組み込むことで樹脂をより高付加価値化する技術が実用化されています。例えば、電線被覆材、電気製品のキャビネットなど難燃性が必要とされる成形材料において、非ハロゲン系での難燃性向上に効果のあるシリコーン添加剤が使われています。
また特殊な応用の例としてシリコーンパウダーがあります。これは、シリコーンの優れた特性である、耐熱性、耐寒性、耐衝撃性、はっ水性、潤滑性などを持つ粉体です。特に球状シリコーンパウダーは、比重が軽い、耐熱性、潤滑性、はっ水性が優れるなど、シリコーンの持つ優れた性能をそのまま有しているため、プラスチックフィルムの潤滑性向上、ブロッキング防止、プラスチック成形品の性能向上などを目的として、さまざまな材料に添加され、応用が広がっています。

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