Q&A

「GHS」とは

GHSとは何ですか?
GHSとはThe Globally Harmonized System of Classification and Labeling of Chemicals(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)の略称です。化学物質の危険有害性をラベル表示や安全データシート(以下MSDS)で伝えるにあたって、これまで国によって決められた指針や規則における危険有害性の分類がまちまちであったり、またそのような分類を持たない国もありました。このようなことから、国際的に調和された分類・表示方法が必要であるということが認識されるようになり、2003年7月にGHS実施促進のための決議が国連で採択されました。
GHSの実施時期は?
GHSの実施は義務づけられておらず、各国の判断に任されています。しかし、その実施時期には目標が定められており、2008年を世界的な完全実施の目標年としています。
日本での取り組み状況は?
APEC(アジア太平洋経済協力会議)で、加盟国が自主的に、可能な限り2006年までにGHSを実施することに合意しており、日本では2005年11月に労働安全衛生法(以下安衛法)の57条関連の概要が改正され、2006年12月1日からGHSに対応したラベル表示を行うことが決まりました。ただし、実施に必要なGHS対応への詳細な取り決めや、追加が予定されている対象物質に関する改正政省令の公布は2006年8月現在まだなされていません。一方、MSDSについては2005年12月にGHS対応用のJIS-Z-7250が新たに公布されましたが、暫定処置として2010年12月31日まで現行のMSDSが有効とされています。
労働安全衛生法上の対象物質と罰則規定は?
対象物質については政省令でまだ明確になっていませんが、ラベル表示対象物質については現行法の92物質から99物質に、またMSDS作成対象物質である通知対象については現行法の638物質から640物質になる予定で、これらの物質とその調剤についてもラベル表示やMSDSの作成が必要とされます。また、安衛法の57条(ラベル表示)に違反した場合には、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金の罰則規定がありますので注意しなければなりません。ただし、MSDSでは罰則規定は設けられていません。
GHSに対応したラベルとMSDSの記載内容は?
GHSの危険有害性の分類手順に従って分類した結果を、ラベルやMSDSに記載します。ラベル表示の場合、 1. 注意喚起語、 2. 絵表示、 3. 危険有害性情報、 4. 注意書き、 5. 製品の名称および供給者の特定、の各要素が必要とされています。注意喚起語は危険有害性の程度を知らせる語句で、「危険」と「警告」の2種類があります。絵表示については、使用者などに危険有害性を即座に知らせるための図案で、ドクロマークや炎のマークなどがあります。またMSDSの場合も、JIS-Z-7250では、「危険有害性の要約の項目」にGHSの分類、ラベル要素などが記載されることになりました。
信越シリコーンのラベル表示の取り組み予定は?

現在、GHS用のラベルを貼付するための準備を進めており、目標としては11月末までには貼付・出荷をスタートさせたいと考えています(なお、これから出される改正政省令によっては、予定が変更される可能性もあります)。また、販売店などに保管されている流通在庫分についても経過措置の設けられた製品を除き、12月1日出荷分からラベルが必要になりますので、ご注意ください。

(注)流通在庫品について
2006年10月20日に公布された改正政省令に伴い、流通在庫品は6ヶ月間(平成19年5月31日まで)の経過措置が設けられることになりました。経過措置期間以降については、流通業者(代理店含む)が法の措置義務者となります。
GHS対応のMSDSへの取り組み予定は?
GHS対応のMSDSについても対応を進めていますが、当面はラベル表示の対応をまず優先し、その後、追って対応していく予定です。

※ この記事は、2006年10月時点の情報で、当社PR誌「シリコーンニューズ」で紹介したものです。

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