Q&A

消泡剤について

一般に消泡剤の基本的な作用にはどのようなものがあるのですか。
消泡剤の作用を大きく分類すると、破泡性と抑泡性の2つの機能に分けられます。破泡とは、一度生成した泡を破壊することであり、抑泡とは泡の生成を抑制することです。
両方の作用をあわせ持つ消泡剤が理想的ということですが、どのような条件からこの破泡性、抑泡性が生まれるのでしょうか?
消泡剤の効果は、水に対する拡張性(分散性)と溶解性という特徴から見ることができます。
破泡には拡張性(分散性)が大きく表面張力が小さいという条件が必要で、抑泡には溶解性が小さい、表面張力が小さいなどの条件が必要であると考えられており、理想の消泡剤は、表面張力が小さく、水に対する拡張性(分散性)が大きい、溶解性が小さいという条件を満たすものということになります。
シリコーン消泡剤はどうなのですか?
シリコーンは表面張力が小さく、水に対する拡張性・溶解性とも小さいという特性があります。そのため、抑泡性には極めて優れるものの、破泡性はやや不足ぎみであるといえます。シリコーン消泡剤に不足している水に対する拡張性(分散性)を大きくするためにO/W型エマルジョンに乳化したり、シリコーン系乳化剤とブレンドしたりなどして理想的な消泡剤としているのです。
シリコーンは表面張力が小さいということですが、具体的に説明してください。
シリコーンオイルの表面張力は、一般のオイルや溶剤類に比べると極めて小さく、中でもジメチルシリコーンオイルの表面張力は粘度が増大するにつれてわずかに増加しますが、100mm2/s以上のものは20.9~21.3dyne/cmで、ほぼ一定となります。これは、鉱油29.7、水72と比較して極めて小さい値です。
表面張力が小さいためのメリットは何ですか。
強い消泡効果を示し、微量の添加で十分な効果を発揮することができるということです。また、最終製品の特性に影響を与える可能性も小さいといえます。
シリコーン消泡剤にはどのような種類がありますか?
形態により、シリコーンオイル、オイルコンパウンド、溶液、エマルジョン、自己乳化、特殊形状(粉末、固形)の6品種に分けられます。
一般には、油性の発泡液にはオイル、オイルコンパウンド、溶液の各型が適しており、水性の発泡液にはエマルジョン型がよく使われます。また染色工程のように高温下あるいは無機塩の存在下、強アルカリ性の厳しい条件下で使用する場合、もしくは通常のエマルジョンが破壊されるような機械的に強く撹拌する環境下で使用する場合は自己乳化型が使用されています。さらに、粉末状、固形状に使いやすくしたものもあります。

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