Q&A

シリコーンの主要原料(金属ケイ素)について

金属ケイ素とはどのようなものですか?
金属ケイ素とは、ケイ石を還元して製造される金属の一種でシリコーンの主要原料です。また、半導体デバイスの基板として使われているシリコンウエハーや光ファイバープリフォームの原料でもあります。原鉱石であるケイ石は、酸素とケイ素が結合した二酸化ケイ素(SiO2)のかたちで天然に存在しています。
ケイ石について教えてください。
地球の表層部に存在する元素で一番多いのが酸素で約50%。二番目が約26%のケイ素です。酸素とケイ素からなるケイ石は、地球第1位と第2位の元素からつくられているのです。ケイ素は石やガラスの主成分で、河原などで見かける白い石は、ケイ素を多く含んだケイ石です。
用途によって原料のケイ石は違うのですか?
金属ケイ素の用途は大きく分けてケミカル用とアルミ添加用の2種類があります。ケミカル用はシリコーン用と多結晶シリコン(半導体)用に分けられます。ケミカル用は不純物をほとんど含まないハイグレードが要求されます。このグレードに適した高純度の金属ケイ素を製造するためには、精製に適した高品位のケイ石が必要となります。もちろん厳しい規格値を満たすために高度な技術が不可欠です。
どうやってつくるのですか?
ケイ素と酸素を主成分とするケイ石を木炭などと一緒に電気炉で融解、還元してつくります。具体的には電気炉にケイ石、木炭などの炭材を配合投入し、そこに大電流を流して炉心温度を上げると、炭材から出るガスがケイ石から酸素を奪い、ケイ素が金属状に遊離して金属ケイ素ができ上がります。
どこで生産しているのですか?
金属ケイ素の製造には膨大な電力を消費します。日本では石油危機の影響もあり、1982年をもって国内で生産するメーカーがなくなり、現在は全量輸入されています。主要生産国は比較的電気代の安い米国、ノルウェー、オーストラリア、ブラジル、南アフリカ、中国などです。金属ケイ素の世界の年間生産量は約90万トンです。信越化学では、100%子会社のシムコア社(オーストラリア)で金属ケイ素の製造をしています。
金属ケイ素がどのようにしてシリコーンになるのですか?
金属ケイ素は、主に直接法と呼ばれる反応過程を経て、シリコーンの原料となるシランになります。直接法とは、金属ケイ素と銅触媒の混合物にハロゲン化炭化水素を反応させる方法です。こうしてできたシランは、いくつもの複雑な化学反応を経て、多彩な機能をもったシリコーンになります。

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