そもそもコンタクトレンズの原型は16世紀にレオナルド・ダ・ビンチが考案したとされていますが、実際に使われるようになったのは1890年頃からです。その当時はガラス製のレンズでした。1950年代になってから、加工しやすく丈夫なプラスチック(ポリメチルメタクリレート)製が登場しましたが、酸素透過性はほとんどありませんでした。現在の主流である、プラスチックにシリコーンを配合する共重合技術が完成したのは、1980年代に入ってからのことです。
※ 共重合: 2種ないしそれ以上の単量体(モノマー)が相互に結合して、新しい重合体(ポリマー)またはそれらの混合物を作る反応をいう。そうです。さまざまなシリコーンが研究され、ついに酸素透過性のハードコンタクトレンズ用として最適なシリコーンが開発されました。このシリコーンは、普通のオイルやゴムに使われているものとは構造が異なっているのですが、工夫に工夫を重ねて、シリコーンの研究を続けた結果、Dk値を十数年の間に20倍も向上させることができました。最新の高Dk値コンタクトレンズは、裸眼状態での酸素供給量に近い酸素透過性を持つため、レンズをつけたままの睡眠や1週間程度の連続装用も可能となっています(注)。
※ コンタクトレンズを使用する場合は、眼科医の指導が必要です。