Q&A

ディスペンサーとシリコーン

ディスペンサーとは、何ですか?
ひと言で説明すると、液体材料を一定量吐出するための装置です。
どのような仕組みで動作するのですか?
基本的には吐出する液体材料を注射器のような形のシリンジに入れ、エアーをかけてノズルから材料を押し出します。エアー圧や吐出時間、あるいはノズルのサイズなどで吐出する量を正確にコントロールします。
どのような用途で使われるのでしょうか?
電気・電子分野はもちろんですが、食品、化学、薬品など幅広い産業分野の製造現場で使われています。電気・電子分野では、接着剤、コーティング剤、封止剤など一定量の液体材料を連続して点滴、塗布、あるいは充填する目的で使われています。
シリコーン製品の場合はどのような製品に使えるのですか?
シリンジを使うのは、主にRTVなどの液状シリコーンゴムですが、低粘度のオイルからグリース・オイルコンパウンドなどまで幅広い製品に活用できます。
オイルやグリースなどもシリンジを使うのですか?
オイルのような低粘度製品の場合は、シリンジではなくタンクやバルブを使います。高粘度のグリースやオイルコンパウンドの場合は缶のまま装置にセットして使うことができます。また、一液室温硬化型のRTVゴムでも、シリンジを使わずにチューブやカートリッジのまま吐出装置(オートチューブ)にセットして使うこともできます。
ディスペンサーが使えるのは一液タイプの製品だけですか?
二液タイプの反応型の場合は、ギアポンプを使う二液混合装置を利用して、目的の吐出を行うことができます。
液剤に応じてノズルも変わるのですか?
正確な吐出はノズルの選定で決まると言っても過言ではないでしょう。液剤の種類や粘度、また用途に最適なノズルを選ぶ必要があります。
では、ディスペンサーを使うメリットは何ですか?
  1. まず、生産性の向上です。従来の手作業では、作業精度は作業者の熟練度やカンに頼る部分が多く、バラツキなども起こりがちでした。ディスペンサーシステムなら、エアー圧、吐出時間の設定などにより、つねに一定の吐出量を正確に制御できますから、精度の高い作業を安定して行うことができます。
  2. また、接着剤の場合、吐出量が多すぎると硬化の問題が生じますし、逆に少ないと接着強度に問題が生じます。しかし、細いノズルを使って正確な位置と量をコントロールして吐出できるため、接着剤なら接着強度の信頼性を高められ、潤滑剤なら効率よく潤滑作用を付与できるなど品質の安定を実現します。
  3. さらに、最低限必要な吐出量を正確にコントロールできるため、材料のムダもなく、しかも低粘度の液剤でも液ダレなどのない質の高い作業が可能になります。
どのような作業に適しているのですか?
一定量を安定して吐出することがディスペンサーの基本的な機能ですが、特に、吐出量が少なく目見当ではできないような作業が得意といえます。
電気電子用途に多用されるシリコーンの強い味方なのですね。
携帯電話、コンピュータなど、あらゆる製品の小型化・高機能化が進み、省スペース・軽量化のために、従来ビス止めしていた個所が接着剤に取って代わられたり、発熱の問題などが起きて放熱剤を塗布する必要性が増えたりしています。限られたスペースに少量の液剤を高精度に点滴、塗布するシステムとして、今後、ますますディスペンサーの活躍の場が増えることになるでしょう。

Q&A一覧へ

ページの先頭へ