● 計算方法
以下の順序で行ってください。
● 調整方法
下記グラフを用います。(混合するシリコーンオイルはできるだけ粘度の近いものを使用し、それぞれのオイルの割合は等しくない方向にもっていく[グラフの重量%軸の両端に近い方で用います]ようにしてください。)
縦軸に動粘度を対数目盛でとり、横軸に使用量(重量%)をとります。目盛にない1万mm2/s(104)以上のときは、適宣乗数を下方に平行移動させて使用します。このとき、縦軸の平行移動だけで上下の使用目盛には変動なく出てきた値(重量%)は、そのまま使うことができます(使用例2参照)。また、使用量(重量%)目盛は、左側にとったオイルの使用量(重量%)は上の目盛を読み、右側にとったオイルの使用量は下の目盛を読みます。逆に使用してしまうと、全く異なった粘度品ができてしまいますのでご注意ください。
使用例1: 標準粘度品1,000mm2/sと300mm2/sを混合して600mm2/sのオイルをつくる場合
使用例2:標準粘度品30万mm2/sと5万mm2/sを混合して20万mm2/sのオイルをつくる場合
グラフには、30万および5万の目盛がありませんので、座標を移動します。
※ 縦軸(粘度軸)は対数目盛であり、上下に移動するのみで自由に使え、標準粘度品の使用量(重量%)目盛はそのまま使用できることを利用します。
シリコーンオイルを溶解する溶剤(下記リストを参照)を用いて洗浄してください。なお、プラスチック類、特にスチロール、アクリル樹脂等は耐溶剤性が悪いので溶剤の選択には十分ご注意ください。
完全に取り除くには手間がかかりますが、中性洗剤、洗剤入り磨粉等を用いてブラシやウェス等で十分にこすります。このとき、中性洗剤の濃度が低いと洗剤がはじかれて洗浄に手間がかかりますから、できるだけ高濃度でご使用ください。
水分のため半透明に濁っている場合や、100ppm以下まで水分を取り除くときは、減圧下で100℃~150℃に加熱するか、あるいは加熱しながら乾燥した不活性ガスを吹き込む方法で脱水することができます。加熱するときは、できるだけ油の層を薄くすると効果があります。冷却後、濁りがなくなれば、脱水されたことになります。
また、電気絶縁油として高い耐電圧を要求されるときなどは、減圧下での加熱や加熱しながら不活性ガスを吹き込む方法等で脱水してください。減圧下で加熱のときに静置しておくと脱水速度が遅くなりますから、油層をできるだけ薄くすることが必要です。このとき、撹拌や振とうを行うことで、脱水速度を早めることができます。
シリコーンオイルに多量の水が混入して容器の底に水が溜まっていたり、白く濁っているときは脱水剤を用いて簡単に脱水することができます。
水玉状の水を別容器に取り除いたあと、完全に乾燥したシリカゲルを投入して、強く撹拌したり、振とうを行って完全に透明にしてください。脱水が終ったら静置して、シリカゲルを沈降させ、上澄みのシリコーンオイルを用います。
一般的にはっ水処理用には、100~500mm2/sの粘度が適しています。
塗布厚は、表面にシリコーンが一様にいきわたる程度が最適。ガラスは2~5%、セラミック、陶磁器は3~7%の濃度を目安にしてください。(希釈剤は、下記リストをご参照ください)
塗布した基材(処理物)は、焼き付ける前に風乾、もしくは50~70℃の温度で加熱乾燥させてください。これは溶剤を完全に除去するために行います。焼き付け条件は、200~350℃で5~20分ですが、被処理物により異なります。300℃、5分を標準として最適条件を前期温度と時間の範囲でさがしてください。
また焼き付け炉は加熱器が赤熱していない状態が好ましく、屋外に排気口を取り付けるようにしてください。
被処理物の表面は、良く洗浄してください。一見、清浄に見えるガラスなどでも、300℃近い温度をかけると付着物が炭化して着色してしまいます。また、被処理物の表面が汚損しているとシリコーンオイルの希釈液が一様に塗布できなくなることがあります。このため洗浄は、水(石けん水などを用いるときは、後の水洗いも十分に行ってください)、あるいは溶剤類で入念に行ってください。
被処理物の表面の状態によっては、処理液がはじかれることがあります。このようなときは、溶剤を変えるか、アルコール(エタノール、プロパノール、ブタノールなど)を若干加えてみてください。
焼き付け炉で希釈剤に引火性のある溶剤を用いる場合は、赤熱する加熱器の使用を避ける必要があります。
また、塩素化溶剤が残留したままのものを焼き付け炉に入れると、溶剤が分解して有害ガスが発生する恐れがあります。他の溶剤が残留していると爆発の危険性がありますから、焼き付け炉は密閉しないでください。
※ 信越シリコーンの中でガラス類などのはっ水処理剤として使用できる製品は、KF-96、KF-99、KS-702、KS-703、KS-705F、KM-722M、KM-740、KM-780、KM-782、KC-88、KC-89、KR-251、KR-252、KR-253、KR-282、Polon Tなどがあります。
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