Q&A

シリコーングリース・オイルコンパウンドについて

シリコーングリース・オイルコンパウンドという製品はどのようなものですか?
シリコーンオイルを基油とし、各種の増稠剤により増粘化させて必要に応じて添加剤を加えてペースト状にしたものです。増稠剤、添加剤を組み合わせることでいろいろな特性を持たせることができ、用途別に放熱用、潤滑用、粘着用、電気絶縁・シール用に分けられます。
カタログに「稠(ちょう)度」や「滴点」とありますが、何のことですか?
稠(ちょう)度とは、グリース自体の硬さ、柔らかさを表す尺度であり、数値の大きい方が柔らかく、数値が小さいと硬いことを意味します。またグリースは加熱により軟化し、場合によってはオイルが分離します。この分離したオイルが測定試験機の容器底部から滴下した時の温度を滴点といいます。
グリースとオイルコンパウンドとは何が違うのですか?
シリコーングリースとシリコーンオイルコンパウンドの区別は明確ではないのですが、金属石鹸などで増稠化され、潤滑用に使用されることが多いものをシリコーングリースと呼んでいます。また、非石鹸系化合物、代表的には微粉末シリカなどで増稠化され、電気絶縁用や防水シールなどに使用されるものをシリコーンオイルコンパウンドと呼んでいます。
それぞれの製品がどのようなところに使われるのですか?
放熱用は、パソコンや家電、自動車などに搭載されている電子素子の放熱に使われます。最近の電子素子は多くの熱を発生するため熱対策が必要で、その熱を上手に逃がさないと機器が正常に動作しなくなることがあります。従って、放熱材料は近年重要性が増しています。
潤滑用は、主に潤滑性を必要とされるベアリングなどの摺動部に使われています。また、粘着用は高い粘着力を備えた製品であり、潤滑とは逆で摺動を遅くさせるために使われます。例えば、家電や自動車などに使われる小型ダンパー部品として幅広く使用されています。電気絶縁・シール用はケーブル接続部分の絶縁、防湿や通信機器、計器類などの防錆、シールなどに使われます。
鉱物油系のものとシリコーン系のものは特性的に何が違うのでしょうか?
一般的に鉱物油系の方が極圧潤滑に関しては優れているといわれていますが、シリコーン系は、鉱物油系のものと比較して化学的に安定しており、また耐熱性、耐寒性、耐水性、耐候性、電気特性などに優れることから、幅広い分野で使用することができます。
放熱用の製品には品種がたくさんあるようですが、選択するにあたって何か注意点があれば教えてください。
製品によって、熱伝導率、粘度、絶縁性、使用温度範囲などが違いますので、使用目的・用途に合わせて選択するようにしてください。特に、製品によっては絶縁性があまり高くないものもありますので、それら製品を使用する場合は、あらかじめ問題がないか確認しておく必要があります。
低分子シリコーン(低分子シロキサン)とは不純物のことですか?また、D3~D10と書いてありますがどういう意味ですか?
低分子シリコーンとは、-Me2Si-O-単位が環を巻いた環状シロキサンを指します。-Me2Si-O-単位が3個からなる3量体をD3、4量体はD4・・・10量体はD10です。これらはシリコーンの原料であり、オイルやグリースなどの製品となった後にもその一部が製品内に微量に残ってしまったもので不純物ではありません。ただし、低分子シリコーンは揮発性で、電気接点部での使用などで不具合の原因になる恐れがあります。しかし、接触面を覆うほどの濃度がなければその危険性は大きく下がります。詳しくは、当社までお問い合わせください。

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