Q&A

シリコーンレジン(ワニス)について

シリコーンレジンとはどのようなものですか?
シリコーンオイルやシリコーンゴムが線状ポリマーから成り立っているのに対し、分岐度の高い三次元ポリマーからなるものがシリコーンレジンです。一般に固形状であるため、溶液(ワニス)として供給されることが多く、用途によっては100%レジンや無溶剤液状品、オリゴマー(中間体)として供給されています。
シリコーンレジンにはどのような特長がありますか?
シリコーンレジンには次のような特長があります。
  • 耐熱性
    分子構造の主骨格を形成するシロキサン結合は結合エネルギーが大きく、熱分解温度が高いため非常に耐熱性に優れています。
  • 耐候性
    紫外線などによる劣化が少なく耐候性に優れています。塗膜の黄変、チョーキング*、光沢の消失なども少なく、長時間にわたって安定した塗膜特性を維持します。
  • 電気絶縁性
    広い温度範囲にわたって優れた電気特性を発揮します。特に高温でも電気絶縁性の低下が小さく、温度や周波数の変化による誘電率、誘電正接の変化も少なく、耐アーク性にも優れています。
  • はっ水性
    分子中のメチル基の配向により、硬化物の表面ははっ水性に優れています。
  • 高硬度
    分岐度の高い三次元ポリマーからなり、その硬化物の骨格はガラスに近似しているので、高硬度になります。
* チョーキング: 無機充填剤が老化によって表面に粉吹きのように現れてくる現象。
シリコーンレジンにはどんな種類がありますか?
シリコーンレジンは、大別するとシリコーン本来の性質を利用したストレートシリコーンレジンと、ほかの樹脂と変性することによって多様な特性が付与された変性シリコーンレジンがあります。ストレートシリコーンレジンは、メチルシリコーンレジンとメチルフェニルシリコーンレジンに分けられます。また、変性シリコーンレジンには、代表的なものとしてアルキッド変性、エポキシ変性、アクリル変性、ポリエステル変性などがあります。
それぞれの種類のシリコーンレジンの特長は何ですか?
ストレートシリコーンレジンのうち、メチルシリコーンレジンは、メチルフェニルシリコーンレジンに比べて耐熱強度に劣るため、主に防湿、はっ水、離型用途に用いられます。また、耐熱性を要求される場合は、分岐度の高いメチルシリコーンレジンが使用されています。
メチルフェニルシリコーンレジンは、250℃の高温でも分解したり炭化することなく、機械的強度もメチルシリコーンレジンに比べ優れており、仕上がりの光沢もよいことから、耐熱塗料用などとして広く使用されています。
変性シリコーンレジンは他の樹脂の特性を付与していますが、その代表的なものを説明します。アルキッド変性シリコーンレジンはアルキッド樹脂の柔軟性と乾燥性を、エポキシ変性シリコーンレジンはエポキシ樹脂の耐薬品性と密着性を、アクリル変性シリコーンレジンはアクリル樹脂の強靱性を、ポリエステル変性シリコーンレジンはポリエステル樹脂の柔軟性と高光沢性を、それぞれシリコーンレジンの特性に付与したものです。
シリコーンレジンはどのように活用されているのですか?
耐熱性、耐候性、電気絶縁性、はっ水性、高硬度などの優れた特性から、塗料用、電気用途などのバインダー、コーティング剤、添加剤などとして、幅広い分野で耐久性、安全性、信頼性の向上に役立っています。
シリコーンオリゴマーはどのようなものですか?
3次元構造を持った比較的低分子のシリコーンレジンを総称しており、一般に2量体、3量体から分子量1,000程度のものを指します。
シリコーンオリゴマーはどのような特長がありますか?
シリコーンオリゴマーは、次のような特長があります。
  • 溶剤不使用
    溶剤を含まず、発生するアルコールもモノマーに比べて少量です。
  • 保存安定性
    シラノールをほとんど含有せず、揮発性も少ないため保存安定性が良好です。
  • 製品の多様性
    官能基の種類や構造の違いから、さまざまな官能基を持った製品があります。
シリコーンオリゴマーはどこに使われていますか?
有機樹脂の改質剤や樹脂材料として使われます。 詳細は、カタログをご覧ください

Q&A一覧へ

ページの先頭へ