Q&A

電気・電子用シリコーンRTVゴムについて

RTVゴムの“RTV”とは何のことですか?
RTVとは、Room Temperature Vulcanizingの略です。RTVゴムとは厳密には室温で硬化する液状ゴムのことですが、当社では加熱硬化タイプも含め電気・電子、一般工業用途の接着、シールなどに使われる液状ゴムのことをRTVゴムと呼んでいます。
RTVゴムには「一液型」「二液型」がありますが、その違いは何ですか?
「一液型」は硬化剤などすべての成分が1つのパッケージになっているもの、主剤と硬化剤を混合することで硬化させるものが「二液型」です。
「一液型」は混合、脱泡をする必要がなく、作業性に優れるという特長があります。「二液型」は成分を混ぜなければ硬化が始まらないため、保存安定性がよく、また硬化剤の量などで硬化速度を調整できるというメリットがあります。
反応タイプの「縮合反応」「付加反応」とはどういうことですか?
「縮合反応」とは、空気中の湿気と反応して硬化するもので、反応中にアセトンやアルコール、オキシムなど少量のガスを発生します。硬化により約4%重量が収縮します。
「付加反応」とは加熱することにより短時間で硬化反応を進めることができ、硬化収縮はほとんどありません。ただし、硬化阻害を受ける場合があります。
「常温硬化」「加熱硬化」という分け方もありますが、縮合・付加反応とどう違うのですか?
縮合反応タイプは、室温で硬化するので「常温硬化タイプ」です。付加反応タイプは、加熱することで硬化反応を進めるため「加熱硬化タイプ」です。ただし、二液付加反応型の中には常温硬化/加熱硬化のどちらでも硬化するタイプの製品があります。
RTVゴムのそれぞれのタイプの特徴を教えてください。
各タイプを比較できるように特徴をまとめた表をご参照ください。
項目 一液型 二液型
常温
硬化
タイプ
加熱
硬化
タイプ
常温
硬化
タイプ
加熱
硬化
タイプ
混合 不要 不要 必要 必要
脱泡 不要 不要 必要 必要
深部硬化 劣る 優れる 優れる 優れる
硬化速度調整 不可 不可
短時間硬化 不可 加熱により可 不可 加熱により可
保存性 密栓常温保存 要冷蔵 常温保存 常温保存
RTVゴムの製品選択の目安は何ですか?
接着(シーリング)・コーティング・ポッティングなど使用目的、使用環境は加熱できるかどうか、どのような基材に使用するのかといった使用条件などを考慮し、最適な製品を選択することが大切です。
そのほか、使用する際の注意点を教えてください。
「縮合タイプ」は、硬化時に副生成物が発生するので密閉下での使用には適しません。また、一液縮合タイプの場合、深部硬化性がよくないため、深い目地や面どうしの接着など空気中の湿気が届かないところは、十分硬化しない点を注意する必要があります。
一方、「付加タイプ」は、一液、二液とも通常、白金触媒によって反応させますが、この白金化合物が硫黄化合物、リン化合物、窒素化合物などの硬化阻害物質が混入することで硬化不良を起こす場合があります。これらの化合物が接触、あるいは混入しないように注意しなければなりません。
低分子シリコーン(低分子シロキサン)とは不純物のことですか?また、D3~D10と書いてありますがどういう意味ですか?
低分子シリコーンとは-Me2Si-O-単位が環を巻いた環状シロキサンを指します。-Me2Si-O-単位が3個からなる3量体をD3、4量体はD4・・・10量体はD10です。これらはシリコーンの原料であり、オイルや液状ゴムなどの製品となった後にもその一部が製品内に微量に残ってしまったもので不純物ではありません。ただし、低分子シリコーンは揮発性で、電気接点部での使用などで不具合の原因になる恐れがあります。しかし、接触面を覆うほどの濃度がなければその危険性は大きく下がるため、これを極限まで取り除いた低減タイプも開発されています。こうした低分子低減タイプRTVゴムは電気電子用、クリーンルーム用などに使用されています。
シリコーンが目的外のところに付着してしまいました。除去方法や廃棄方法を教えてください。

硬化していなければ溶解性のあるトルエンなどの有機溶剤で洗浄すると除去できますが、溶剤による洗浄を行う部分にプラスチック類など耐溶剤性の悪いものがあるときは溶剤の選択に注意が必要です。硬化物はナイフなどで物理的に除去してください。除去したものは、一般焼却処理で廃棄してください。

【代表的な溶剤】
● ベンゼン ● トルエン ● キシレン ● ソルベントナフサ ● 工業用ガソリン など

シリコーンゴムに接着剤を使用したいのですが、接着が弱く、すぐはがれます。どうすればよいですか?
シリコーンは他の有機系ポリマーと非相溶であり、またはっ水、離型性に優れることからおわかりのように表面エネルギーも低いため、一般の有機系接着剤はほとんど使用できません。シリコーンゴムと他素材の複合材料などをお考えの場合は、当社までお問い合わせください。

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