例えば、フィラーの比表面積とシランの最少被覆面積などから最適量が求められます。
概算の場合はフィラーに対して0.5~2wt%でご評価ください。なお、フィラーの種類により、優れた効果が得られるものと効果が得られにくいものがあります。
■ 処理量
フィラーに対する処理量は、通常0.5~2wt%です。
フィラーに単分子膜で表面処理するためのシランの必要量は、目安として次のモデル式があり、参考にすることができます。
疎水化処理したフィラーについて簡易な評価方法として、疎水化度(メタノールウェッタビリティ―)という指標があります。
また、詳細な分析には29Si固体NMRが有効です。
■ 疎水化処理結果の確認
(1) 500mL三角フラスコに試料0.5gを入れる。
(2) イオン交換水50mLを (1) に加えてスターラーにて攪拌する。
(3) 攪拌をしたままビュレットよりメタノールを滴下させ、試料の全量がイオン交換水に懸濁された時の滴下量を読む。
(4) 次式により疎水化度を求める。
フィルター、タンク、配管などについては、ご使用後すぐに水洗してください。
一般には溶剤洗浄とアルカリ洗浄があります。
■ シラン付着反応器、容器、配管などの洗浄方法について
付着の程度(反応固着、堆積)、シランの種類(親水性、疎水性)、材質(ガラス、金属、プラスチック)により異なりますが、主に以下のような方法が適用されます。溶剤やアルカリの取り扱いに十分注意して行ってください。
1. 溶剤洗浄
有機溶剤(アルコール、芳香族系溶剤など)に接触させて落とす方法です。この際、攪拌や加熱を行うことで洗浄効果は高まります。また、ブラシでこするなどの物理的操作を加えるとより効果的です。配管内は、溶剤を大量に流して洗浄してください。
2. アルカリ洗浄
シランが反応して固着、堆積してしまうと溶剤洗浄では効果が不十分です。その場合は、アルカリ水(例: 50%水酸化カリウム水溶液)に接触させることで除去可能です。この場合も攪拌や加熱は洗浄効果を高めます。材質がSUSの場合は80℃程度まで加温しても大丈夫ですが、グラスライニングの場合は材質を傷めますので、50℃程度で数時間を超えないように注意してください。洗浄後のアルカリ成分は、水やアルコールで十分に洗い流してください。
関連リンク