シリコーンって名前は聞くけど、よく知らないという方にもシリコーンを知ってもらえるように、ヒナタとコケッコー先生の会話を通して概要をご紹介していきます。
さあ、奥深いシリコーンワールドの世界を見ていきしょう。
シリコーンってときどき聞くけど、どんなものかよくわからないんだよ。
買い物に行くとシリコーン製を売りにしている商品も目にするね。
シリコーンは工業的に作られる合成樹脂の一つだよ。
その通りだよ。プラスチックは一般的に固体だけど、シリコーンは液体だったりゴムだったりいろいろな性状があって、プラスチックとはだいぶイメージが違うものだよ。
元素の周期表って覚えているかな。
シリコーンの分子構造の主骨格はこの周期表の14番目のケイ素(Si)と8番目の酸素(O)が交互に並んだシロキサン結合になっているんだ。
一方、一般的なプラスチックの主骨格は6番目の炭素(C)がつながっているんだ。
一般のプラスチックは石油が主原料だよね。
シリコーンはどうなんだろう。
これがシリコーンの主原料だよ。ケイ石(二酸化ケイ素)というんだ。
ケイ石に含まれるケイ素は、地殻を構成する主要元素でもある。
地殻の主要元素って酸素とケイ素が上位2つなんだね。
原料は豊富にありそうだね。
工業用に適したケイ石はどこにでもあるわけではないけれど資源が豊富なので心強いね。
石油のように枯渇が心配されるようなことにはならなそうだ。
合成樹脂でも主原料が炭素とケイ素で全然別のものだということはよくわかったよ。
でも周期表では隣同士で同族元素なので炭素とケイ素には似ているところもあるんだ。
同族元素? 別物だって言っていたのに。
どこが似ているの?
簡単に言うと炭素もケイ素も同族元素で、結合する手を4つ持っているところが似ているところだよ。
周期表で炭素は6番、ケイ素は14番だったね。元素はこの番号と同じ数の電子を持っているんだ。
電子は内側から2個、8個、18個と電子の収まる数が決まっているけれど、炭素は6番だから内側から2つ目に4つの電子を持っていて、ケイ素は14番だから内側から3つ目に4つの電子を持っている。どちらも4つだね。
この辺がシリコーンが炭素からなる合成樹脂とは違う特長を持つ理由の一つだよ。ケイ素の4つの手はそれぞれ酸素や有機基と結びつき、その組み合わせから多様な分子構造を作り出すことができるんだ。
シリコーンは、ケイ素が結合している酸素の数によって4つの構成単位に分けられるよ。
4つの手のうち、1つが酸素と結合しているケイ素をM単位、2つ、3つ、4つの手が酸素と結合しているものをそれぞれD、T、Q単位と言うんだね。
例えばシリコーンオイルは、M単位とD単位を組み合わせた線状のポリマーなんだ。
シリコーンは、この4つの構成単位を自由に組み合わせることによって、多様な製品形態を生み出すことができるよ。
この特長は、一般的な合成樹脂とは大きく異なるんだ。
つづく