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信越シリコーンについて

トップメッセージ


当社のPR誌「シリコーンニューズ」に掲載したトップメッセージをご紹介します。
日本ならではの強みを世界にアピールし新たな成長の芽を大きく育てていく

世界的に閉塞感があふれる中、日本ならではの強みをいかに発揮し、新たな成長路線を描いていくべきか、
小野 義昭 代表取締役専務 シリコーン事業本部長に聞いた。

 

ピンチをチャンスに変えて日本の底力を発揮

── 2011年は、日本にとって大きな試練の年になりました。

小野 東日本を襲ったマグニチュード9.0という観測史上最大規模の地震は、日本はもとより、世界にも大きな衝撃を与えました。徐々に景気回復を実感しつつあった時期だけに、その影響は計り知れないものがありましたね。それに加えて昨年は、台風による被害も大きかったですし、タイの洪水も長引き、自然災害が予想をはるかに超える大災害となり、かつてなかったような被害をもたらしました。経済でも、地震や洪水によるサプライチェーンの寸断や、超がつく円高で、日本にとっては苦難の1年でした。
震災の影響ということでは、計画停電や電力の使用制限などがあり、製品の安定供給に影響が出るのではと心配しましたが、自家発電の活用や製造現場の工夫と努力のおかげで、何とかお客様にはご迷惑をおかけすることなく乗り切ることができました。電力使用15%カットは厳しいだろうと懸念しましたが、各企業とも見事に対応し、一般家庭も一丸となって協力して、夏を乗り切ることができました。やれば、できるんですね。それだけ無駄があったということかもしれませんが、改めて電気のありがたさ、省エネルギーや無駄をなくすことの大切さなどを気づかされました。また、海外メディアから称賛されましたが、日本人の忍耐強さや秩序ある行動、全国各地から集まったボランティアや義援金など、改めて日本人の底力や絆を感じましたね。一方で、世界中からの援助や励ましも大きな力を与えてくれました。今回のことを、一つの教訓や転換点としてとらえ、気持ちを新たに進んでいければと思っています。

── マイナス面だけでなくプラス面にも目を向けて、気持ちを切り替えることが必要だということですね。

小野 そうです。ここ数年は日本中が閉塞感にあふれていますが、これは日本だけの問題ではなく、世界的なものです。産業革命後、いろいろな産業が生まれて人類は進歩を遂げてきました。戦後は、次から次へと新しい技術や製品が生まれ、成長し続けてきたわけですが、IT(情報技術)を最後に、出るものは出尽くしたというのが現在の状況ではないでしょうか。この停滞は、先進国共通の課題だと思います。では、次は何が出てくるか? ここまで便利な世の中になると、これがなかなか出てこないわけです。無から有を生み出すのは大変なことです。しかし、視野を広く持ち、深く考えて、いろいろなテーマに取り組んでいけば、必ず次の技術が出てくるものです。

 

「課題先進国」である日本には新しい技術を世界に発信できる可能性が

── そのテーマを見い出すことが、次なる成長へつながると。

小野 実は、そういう新しい産業を生み出すチャンスを日本はすでに持っているのです。例えばエネルギーや環境の問題があります。日本の省エネルギー技術や環境技術は世界的に大変優れていますね。また超高齢化社会といわれる日本では、高齢化社会に対応するシステムやサービス、製品作りなどに早くから取り組んでいます。そして、資源の問題に対しては、資源に乏しいということもあり、リサイクルや資源の再利用に、さまざまな角度から取り組み、成果を上げています。
日本は「課題先進国」で、いずれは世界が直面する課題にいち早く直面しており、その課題を解決するためのテーマに世界に先駆けて取り組んでいると、当社の小宮山取締役(前東京大学総長)が自らの著書でおっしゃっています。こういった課題の解決に、日本の精密技術や制御技術が大いに活かされるはずです。こういうモノづくりは、日本人の得意とするところなんですね。

── このような背景の中、「信越シリコーン」としてはどのような展開をお考えでしょうか。

小野 キーとなるのは研究・開発で、その機能は、日本に集中させ、さらに強化して、新しい技術・製品の発信基地として世界をカバーしていきます。そして、これまで以上に積極的に成長が見込める市場に展開していきたいと考えています。今後も発展の望める市場としては、やはりアジアが第一にあげられます。まず中国ですが、江蘇省南通市に建設中の工場が、今年は生産を開始します。当初は汎用品がメインですが、徐々に高機能製品を生産していくことになります。また、ASEANは今後も高い成長率を維持していくと期待しています。このASEANとインド向けには、モノマーから一貫生産しているタイの工場で生産した製品をどんどん販売していきます。そして、世界最大のマーケットであるアメリカは、今後、研究・製造・販売ともに体制を強化していかなければならないと考えています。南米も大きな潜在力のある市場であり、アメリカの現地法人でフォローできる体制を整えていきます。いずれにしても、お客様の海外生産をより密にサポートしていくために、さらに海外拠点を拡充させていかなければなりません。

── 世界で「信越シリコーン」の強みを発揮していくということですね。特に注目している分野はどのようなところですか。

小野 われわれの強みを発揮していく分野としては、引き続き、化粧品、自動車、LEDや放熱用途などで、樹脂改質やプラスチックのハードコート材の分野などにも期待しています。それから、介護を含めた医療分野もあります。医療というと過剰に反応しがちですが、シリコーンの安全性は確認されていますから、正しい使い方を徹底すれば問題はないと思っています。それから、最近増えているのがキッチンまわりのアイテムですね。キッチン用品をはじめ、人々の生活様式の変化などもあり、シリコーンは今まで考えつかなかったようなところまで入り込んでいます。これは、シリコーン自体の進化も含めて、“素材革命”が進んでいるといえるのではないでしょうか。こんなところにも、こんな製品にもシリコーンが使われているという場面は、今後ますます増えていくはずです。

 

無限の可能性を持つシリコーンでともに“素材革命”を推進

── シリコーンという素材には、潜在力や可能性がまだまだ無限にあるということですね。

小野 その通りです。その強みをさらに発揮していくためには、新技術や新製品の開発を促進していかなければなりません。既存の製品に関しては、より満足して使っていただけるよう技術的フォローをしっかり行っていく。そして、お客様の製品の性能や信頼性向上に貢献していくために、より高機能で高品質な製品など、お客様のメリットになる高付加価値製品を開発していかなければなりません。新製品を継続的に開発していくには、一つにお客様のニーズをキャッチして、それに対応する製品を開発すること。もう一つが、新しい製品を開発して“この製品なら、こういう特性が出せる”というように一歩踏み込んだ提案型の製品開発を行っていくこと。ニーズに応える製品開発と提案型の製品開発の両方からのアプローチが必要です。

── では最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

小野 シリコーンは、お客様に育てていただくという側面があります。課題を解決するためのご要望はもちろん、“こんな製品があったらな” “こんなことができたらな”と漠然としていても結構ですし、また不平・不満でもかまいませんので、ぜひ率直にぶつけていただきたいと思います。どんな厳しい要求でも、しっかりと受け止めてお応えしていきます。また、海外展開にもさらに力を入れていき、お客様の海外生産にもより密なサポートをしていきます。「信越シリコーン」の販売ネットワークは大きな力であり、とても心強く思っています。代理店、特約店、販売店の皆様には、ぜひ、これからもお客様のニーズをいち早くキャッチして、フィードバックしていただきたいと思います。
日本には、細やかな気配りや丁寧な仕事など、日本人にしかできない良さがたくさんあります。日本で通用する技術・製品は、必ず世界でも通用します。厳しい状況はしばらく続くと思いますが、お客様、販売店、そして当社がともに力を合わせ、新たな成長路線を描いていければと思っています。ぜひ、本年もよろしくお願い申し上げます。

「シリコーンニューズ Vol.128」 '12新年号より


     
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