信越シリコーン セレクションガイド

タイプA

タイプAのシリコーンオリゴマーは、アルコキシシリル基を含有しますが、反応性官能基は含有せず、メチル基単体またはメチル基およびフェニル基によって構成されているシリコーンオリゴマーです。

タイプAの製品はメチル系とメチル/フェニル系に分類されます。 メチル系は高硬度で撥水性、硬化性に優れることから主に単独で硬化皮膜を形成させる用途に使用され、メチル/フェニル系は相溶性に優れることから樹脂ハイブリッド化剤として使用されます。
シリコーンオリゴマー タイプA
  使用方法 性能的特長
タイプA メチル基 主剤、樹脂ハイブリッド化剤 高硬度、撥水性、硬化性
メチル基、フェニル基 高光沢、相溶性、耐クラック・剥がれ
タイプAR エポキシ基 有機樹脂と無機物のカップリング剤 密着性向上
メルカプト基 密着性向上
アクリル基 密着性向上
メタクリル基 密着性向上
ビニル基 難燃性向上
タイプR 脂環式エポキシ基 エポキシ系およびアクリル系組成物の主剤、ハイブリッド化剤 低硬化収縮、耐熱性
アクリル基 耐屈曲性、耐クラック性

主剤として使用される場合の製品

各製品の一般物性と、硬化被膜の硬度、耐クラック性の位置付け、硬化速度の違いを紹介します。

製品リスト

製品名/項目 有機置換基 アルコキシ基 粘度 25℃ mm2/s 特長
KC-89S メチル メトキシ 5 高硬度、低重合体
KR-515 メチル 7 高硬度、KC-89Sより高分子量
KR-500 メチル 25 高硬度、中重合体
X-40-9225 メチル 100 中硬度、高重合体
X-40-9246 メチル 80 可とう性
X-40-9250 メチル 80 可とう性、はっ水性
KR-401N メチル/フェニル 20 低フェニル含有、中硬度
X-40-9227 メチル/フェニル 15 低フェニル含有、KR-510より可とう性良好
KR-510 メチル/フェニル 100 中フェニル含有、可とう性
KR-213 メチル/フェニル 16 高フェニル含有、可とう性
X-40-9312 (開発品) メチル/フェニル 250 高硬度、耐クラック性
X-40-9300 (開発品) 非公開 70 速硬化、耐アルカリ性、耐水性
X-40-9301 (開発品) 非公開 12 耐アルカリ性、耐水性
X-88-1004 (開発品) メチル 3.5 高硬度、密着性に優れる
X-88-1007 (開発品) メチル 19 はっ水性、密着性に優れる
X-48-1500 (開発品) メチル 50 高硬度、耐屈曲性
X-48-1600 (開発品) メチル エトキシ 15 耐屈曲性、脱エタノール型
(規格値ではありません)

硬さと耐クラック性の位置づけ(室温硬化時)

硬さと耐クラック性の位置づけ(室温硬化時)1

硬化速度

硬化速度

一液(硬化触媒含有)型

タイプAのオリゴマーに硬化触媒を含有させた一液硬化型の製品もございます。 KR-400は高硬度、KR-401は耐クラック性、X-40-2327は速硬化、KR-4000Gははっ水性、滑水性、高光沢、KR-4000F2ははっ水性、はつ油性に特化した製品設計です。

シリコーンオリゴマー系コーティング剤

硬化触媒を含有した一液型のコーティング剤です。優れたはっ水性、滑水性により、汚れを防止することから、無機材料に処理するはっ水剤として使用されています。
主要製品
製品名/項目 有機置換基 粘度 25℃ (mm2/s) タックフリー 25℃ (min) 接触角 2μL ° 転落角 20μL ° 特長
KR-400 メチル 1.2 30~60 92 32 高硬度の被膜を形成
X-40-2327 メチル 0.9 5~10 93 67 速硬化
KR-401 メチル/フェニル 20 30~60 84 51 耐クラック性、耐屈曲性に優れる
KR-4000G メチル 5~10 60 101 25 水滑落性とつやに優れる
(規格値ではありません)
∗基材:
ミガキ鋼板、膜厚=10μm、25℃/70%RH硬化(タックフリー時間は温度・湿度により変化します)
∗ 酸成分を配合した製品です。  
用途例
用途例 防汚コーティング剤
接触角と転落角
接触角と転落角

シリコーンオリゴマー系コーティング剤

優れたはっ水/はつ油性により、油性の汚れが付きにくく、軽く拭き取るだけで油汚れが簡単に落ちるコーティング剤の原料として使用できます。 硬化前に布で拭き上げて薄膜化しても、はっ水/はつ油性を発揮します。 また、フッ素系製品でありながら、一般的な有機溶媒で希釈可能です。
開発品
製品名 タックフリー時間 min 25℃ 鉛筆硬度/硬化日数 ヘキサデカン接触角 2μL° 水接触角 2μL° 水転落角 2μL°
KR-4000F2 30 F/2→H/7 65 111 16
(規格値ではありません)
有機溶剤との相溶性
製品名 トルエン希釈 50wt% イソパラフィン希釈 50wt%
KR-4000F2 相溶 相溶
従来の当社製フッ素系コーティング剤 分離 分離
油性マジックによる防汚試験
油性マジックによる防汚試験.png ∗バーコーターNo.3でガラスに製膜、室温24h硬化

樹脂ハイブリッド化剤として使用される場合の製品

アルコキシシリル基、またはアルコキシシリル基を加水分解させて発生したシラノール基を利用し、 他の有機樹脂をシリコーン変性させ、耐熱性、耐候性などを向上させることができます。 反応機構としては、各有機樹脂に含まれるアルコール性水酸基とアルコキシシリル基との「脱アルコール縮合」、 シラノール基との「脱水縮合」があります。また、水系の有機樹脂にはメチル系、 溶剤系の有機樹脂にはフェニル系オリゴマーが一般に使用されています。

反応機構

反応機構

シリコーン変性した各有機樹脂の特長

  • アクリル樹脂
    アクリル樹脂本来の耐溶剤性、耐薬品性、耐久性に加え、耐候性、耐熱性を付与できるため、建材用の塗料樹脂として幅広く使用されています。
  • エポキシ樹脂
    エポキシ樹脂本来の防食性に加え、耐候性、耐熱性を付与できるため、腐食性の強い物質からの保護を目的とした塗料に多く使用されています。
  • ポリエステル樹脂
    ポリエステル樹脂本来の耐屈曲性に加え、耐候性、耐熱性を付与できるため、建材・一般産業用塗料や、高温下で使用される家電製品用塗料などに使用されています。
  • アルキッド樹脂
    アルキッド樹脂に耐候性を付与できるため、耐候性が要求される室温硬化型の塗料樹脂としてタンクや船舶、橋梁などに使用されています。

主要製品

KR-510
メチル/フェニル基含有アルコキシオリゴマ-
KR-510は、メトキシ基を含有するメチル/フェニル系のシリコーンオリゴマーで、フェニル基を含有することから有機樹脂との相溶性に優れています。メトキシシリル基との反応性基を有する有機系樹脂と混合または脱メタノール反応させることにより、樹脂に耐熱性、耐候性、耐薬品性を付与することができるとともに、反応性希釈剤としても使用することができます。
応用例
ポリエステル樹脂にシリコーンオリゴマーのシロキサン骨格を組み込むことにより、耐候性を向上させることができます。
シリコーンオリゴマーによるポリエステル樹脂変性
シリコーンオリゴマーによるポリエステル樹脂変性
シリコーン変性ポリエステル樹脂の耐候性評価結果
シリコーン変性ポリエステル樹脂の耐候性評価結果

一般特性

項目/製品名 KR-510
外観 無色透明液体
粘度 25℃ (mm2/s) 100
比重 25℃ 1.16
屈折率 25℃ 1.509
メトキシ基量 (wt%) 17
有効成分 (%) 100

(規格値ではありません)

塗膜特性

項目/硬化条件 285°C×1min 285°C×10min
鉛筆硬度 2H 4H
密着性(碁盤目試験) 100/100 100/100
耐衝撃性 デュポン式 (cm) 50以上 50以上
MEK∗ラビング 回数 100 100以上
キシレン ラビング 回数 10 100以上

(規格値ではありません)

∗MEK:
メチルエチルケトン
KR-500
メチル基含有アルコキシオリゴマ-
KR-500は、メトキシ基を有するメチル系シリコーンオリゴマーです。 メトキシシリル基との反応性基を有する有機系樹脂と混合または脱メタノール反応させることにより、樹脂に耐熱性、耐候性、耐薬品性を付与することができます。また、水系樹脂への応用も可能です。
応用例
脱水・脱アルコール縮合で変性させることにより、素材との密着性に加え、耐候性を付与することができます。
シリコーンオリゴマーを用いたアクリルエマルジョンの変性方法
KR-500シリコーンオリゴマーを用いたアクリルエマルジョンの変性方法
樹脂変性モデル
KR-500樹脂変性モデル
一般特性
項目/製品名 KR-500
特長 中重合体
外観 無色透明~淡黄色微濁液体
粘度 25℃ (mm2/s) 25
比重 25℃ 1.15
屈折率 25℃ 1.403
メトキシ基量 (wt%) 28
有効成分 (%) 100

(規格値ではありません)

  • 絞り込み検索

  • 求める性能

X-40-9309A

X-40-9309A

  • 紫外線吸収剤を含有し、基材の紫外線劣化を防止
  • 室温硬化
  • 一液タイプ(硬化触媒含有タイプ)
  • 高硬度の被膜を形成

X-88-1007

X-88-1007

  • 開発品
  • SUSやアクリルなどの難接着基材にも密着性良好
  • 耐クラック性、はっ水性良好

KR-4000A

KR-4000A

  • シリコーン系コーティング剤に添加可能
  • はっ水性、滑水性を付与
  • 拭き上げ施工しても防汚性能を維持

X-88-1004

X-88-1004

  • 開発品
  • SUSやアクリルなどの難接着基材にも密着性良好
  • 高硬度で耐擦傷性良好

X-48-1600

シリコーンオリゴマー・タイプA

X-48-1600

  • 開発品
  • 高硬度と耐屈曲性の両立
  • エトキシ基の脱エタノール反応で硬化
  • 環境対応型(脱メタノール反応ではないため)

X-48-1500

シリコーンオリゴマー・タイプA

X-48-1500

  • 開発品
  • 高硬度と耐屈曲性の両立
  • 速硬化

X-40-9312

シリコーンオリゴマー・タイプA

X-40-9312

  • 開発品
  • 高硬度でありながら、耐クラック性を有する
  • 光照射後の耐黄変性、耐クラック性に優れる

X-48-1501

X-48-1501

  • 開発品
  • 高硬度、耐屈曲性、耐熱クラック性、耐衝撃性を
    併せ持つ

KR-4000G

シリコーンオリゴマー・タイプA

KR-4000G

  • 一液タイプ
  • 艶に優れる。撥水性、滑水性が良好
  • 拭き上げ施工しても防汚性能を発揮
  • シリコーン以外の有機樹脂に添加することで、撥水性を付与

KR-4000F2

シリコーンオリゴマー・タイプA

KR-4000F2

  • 一液タイプ
  • 撥油性、撥水性、滑水性が良好
  • 拭き上げ施工しても防汚性能を発揮
  • フッ素系溶剤以外にも希釈可能
  • シリコーン以外の有機樹脂に添加することで、撥水性、撥油性を付与

KC-89S

KC-89S

  • 低分子
  • T単位のみで構成
  • 高硬度の被膜を形成
  • コーティング剤のバインダーとして実績が多い

KR-515

KR-515

  • KC-89Sより高分子化
  • T単位のみで構成
  • コーティング剤のバインダー、有機樹脂の改質剤として実績あり

KR-500

KR-500

  • KR-515より高分子化
  • T単位のみで構成
  • メチル系ではスタンダード製品
  • コーティング剤のバインダー、有機樹脂の改質剤として実績あり

X-40-9225

X-40-9225

  • KR-500より高分子化
  • T単位のみで構成
  • コーティング剤のバインダー、有機樹脂の改質剤として実績あり

X-40-9246

X-40-9246

  • D単位を導入し可とう性付与
  • コーティング剤のバインダー、有機樹脂の改質剤として実績あり

X-40-9250

X-40-9250

  • D単位を導入し可とう性付与
  • コーティング剤のバインダー、有機樹脂の改質剤として実績あり
  • はっ水性、滑水性が良好
  • 張り紙および落書き防止性に優れる

KR-400N

KR-400N

  • 高硬度な被膜を形成
  • KR-400から硬化触媒を除いた製品

KR-401N

KR-401N

  • 可とう性のある被膜を形成
  • 高光沢
  • KR-401から硬化触媒を除いた製品

KR-510

KR-510

  • メチル/フェニル系のスタンダード製品
  • 主に有機樹脂の耐熱性、耐候性改質目的で実績あり
  • オリゴマー系コーティング剤に可とう性、耐クラック性の付与が可能

KR-213

KR-213

  • 樹脂改質用
  • 可とう性、耐クラック性の付与が可能

KR-400

KR-400

  • 一液タイプ(硬化触媒含有タイプ)のスタンダード製品
  • 高硬度な被膜を形成

X-40-2327

X-40-2327

  • 速硬化
  • リコート可能

KR-401

KR-401

  • 耐屈曲性に優れる
  • 高光沢