信越シリコーン セレクションガイド

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シリコーンレジンは、なぜ耐熱性、耐候性が良いのでしょうか?

シリコーンレジンは、有機系レジンに比べてより高い耐熱性を有しています。

シリコーンレジンと有機系レジンの比較

シリコーンレジンと有機系レジンの比較

主剤として使用

耐熱塗料
シリコーンレジンは、非常に優れた耐熱性を有しています。そのため、一般の有機樹脂系の塗料では使用できない温度域(200℃以上)で使われる塗料用ビヒクルとして使用されています。また、耐候性や耐水性にも優れているため、屋外暴露による劣化にも強く、一般的な無機系顔料との親和性が高いという特長もあります。耐熱塗料は、用途、素材、温度域などにより、多彩な品種構成がありますが、なかでもシリコーンレジンは、幅広い製品に使用されています。

メチル/フェニル系シリコーンレジンの加熱減量曲線(空気中)

メチル/フェニル系シリコーンレジンの 加熱減量曲線(空気中)
∗エポキシ-アミン硬化物は、温度上昇に伴いアンモニアやアルデヒドを発生しながら分解し、高温域(600℃付近)では完全に分解しますが、シリコーンレジンは温度上昇に伴い縮合、メチル基熱分解、フェニル基熱分解を経て、最終的に-Si-O-Si-結合のみで構成された硬化物となり、高温(700℃以上)でも安定です。

各塗料塗膜の耐熱性(250℃)

各塗料塗膜の耐熱性(250℃)

用途の広がり

各種フィラーや有機樹脂との組み合わせにより、幅広い温度域で使われるアプリケーションへの応用が可能です。

用途の広がり図

シリコーンレジンは、有機系レジンに比べて耐候性に優れ、紫外線にさらされても劣化しにくいという特長があります。

シリコーンレジンと有機系レジンの比較

シリコーンレジンと有機系レジンの比較

主剤として使用

耐候性塗料
外装塗膜の劣化原因には、紫外線、熱、水などがあり、光沢低下や白亜化が起こります。シリコーンレジンは、紫外線、水などにより分解しないため、一般の有機系レジンに比べて極めて耐候性に優れており、外装塗料、耐候性塗料のビヒクルとして使用されています。

光沢保持率の変化

光沢保持率の変化

ウェザーメーターによる光沢保持率の変化を示します。有機樹脂(アルキッド樹脂)が著しく低下するのに対し、シリコーンレジンやシリコーン変性アルキッド樹脂は、高い光沢保持率を維持することが分かります。

シリコーンレジンの太陽光波長の吸収帯

シリコーンレジンの太陽光波長の吸収帯

地表の太陽光は、300nm以上の波長領域にあり、ほとんどの有機樹
脂は、この領域に感度波長を持っています。しかし、メチル系シリコーン
レジンは、紫外領域ではほとんど吸収を示さず、またメチル/フェニル系
シリコーンレジンも280nm以下の吸収帯であり、太陽光の影響を受け
ることがほとんどありません。