
タイプRの製品は脂環式エポキシ基とアクリル基の製品群に分類されます。 脂環式エポキシ基の製品群は単独で硬化皮膜も形成しますが、主にエポキシ化合物の硬化収縮の抑制、 耐熱性の付与、レベリング性の向上などに使用されています。また、アクリル基の製品は多官能アクリル 化合物のクラック性の抑制に寄与します。
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使用方法 |
性能的特長 |
タイプA |
メチル基 |
主剤、樹脂ハイブリッド化剤 |
高硬度、撥水性、硬化性 |
メチル基、フェニル基 |
高光沢、相溶性、耐クラック・剥がれ |
タイプAR |
エポキシ基 |
有機樹脂と無機物のカップリング剤 |
密着性向上 |
メルカプト基 |
密着性向上 |
アクリル基 |
密着性向上 |
メタクリル基 |
密着性向上 |
ビニル基 |
難燃性向上 |
タイプR |
脂環式エポキシ基 |
エポキシ系およびアクリル系組成物の主剤、ハイブリッド化剤 |
低硬化収縮、耐熱性 |
アクリル基 |
耐屈曲性、耐クラック性 |
脂環式エポキシ基タイプ
反応性官能基としてはエポキシ基のみを持ち、酸無水物や光、熱カチオン硬化が可能なシリコーンオリゴマーです。
エポキシ樹脂と同様の硬化機構でありながら、シロキサンの持つ耐熱性や高Tgを有しています。
また、環状シロキサン骨格を持つタイプは、硬化時に収縮が少ないという特長も持っています。
特長
- 反応性官能基を含有するシリコーンです。
- 比較的低分子で、各種材料との相溶性に優れます。
- 酸発生剤を添加することにより、光または熱で硬化します。
- 酸無水物、アミン系触媒などを添加することにより、熱で硬化します。
- KR-470は、硬化性、硬化後の硬度、強度などに優れます。
- KR-470は、硬化時に収縮がほとんどありません。
一般特性
項目/製品名 |
KR-470 |
X-40-2678 |
X-40-2669 |
タイプ |
環状シロキサン |
環状シロキサン |
直鎖シロキサン |
特長 |
低硬化収縮、高架橋 |
耐クラック性 |
KR-470よりも低粘度であり、レベリング性、濡れ性に優れる |
エポキシ官能基数 |
4 |
2 |
2 |
粘度 25°C (mPa・s) |
3,000 |
120 |
35 |
エポキシ当量 (g/mol) |
200 |
290 |
200 |
(規格値ではありません)
硬化物性の比較
項目/製品名 |
KR-470 |
エポキシ |
脂環式エポキシ |
硬化方式 |
酸無水物硬化 |
硬さ ショアD |
87 |
85 |
88 |
曲げ弾性率 (MPa) |
2,590 |
2,940 |
3,020 |
硬化収縮率 比重法 (%) |
+2.1 |
‒1.7 |
‒5.3 |
煮沸吸水率 (%) |
0.46 |
0.28 |
0.56 |
Tg (℃) |
191 |
150 |
193 |
線膨張係数(×10‒5/K) |
<Tg |
9.7 |
7.7 |
6.9 |
>Tg |
15.4 |
17.6 |
16.2 |
(規格値ではありません)
アクリル基タイプ
X-40-2761は、樹脂(フィルム)単体として使用でき、他のラジカル硬化系樹脂の改質剤としても使用できます。
樹脂単体で使用
樹脂改質剤として使用
- 耐クラック性、すべり性(肌触りの良さ)の付与
- 下記の有機溶剤、アクリレートおよび各種光重合
開始剤との相溶性に優れる
- 有機溶剤:
- PGM、IPA、シクロペンタノール、エタノール、酢酸メチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレンなど
- アクリレート:
- DPHA、TMPTA、HDDA、A-TMM-3Lなど

DPHAとの混合による物性比較(0.6mmフィルム)
シート物性
鉛筆硬度 厚さ 0.6mm |
4H |
耐屈曲性 厚さ 0.2 mm (φ) |
2mm |
(規格値ではありません)
配合比率
X-40-2761/DPHA (wt%) |
0/100 |
20/80 |
30/70 |
40/60 |
50/50 |
60/40 |
硬さ
厚さ 0.6mm |
鉛筆硬度 |
9H |
9H |
9H |
5H |
4H |
3H |
Shore D |
96 |
90 |
87 |
85 |
83 |
80 |
(規格値ではありません)
- UV硬化条件:
- 高圧水銀ランプ 600mJ/cm2、窒素雰囲気、1Pass
- 光重合開始剤:
- Darocur 1173を固形分に対し5wt%添加