信越シリコーン｜注目製品：クリーンルーム用シリコーンシーラント

注目製品

クリーンルーム用シリコーンシーラント

ピュアシーラント、ピュアシーラントSタイプ

ピュアシーラントは、空気中の湿気と反応して室温で硬化する接着性に優れた弾性シーリング材です。特に高いクリーン度が要求されるクリーンルーム、化学的な汚染制御が必要なクリーンルームの目地や半導体製造機器類の気密シールに最適です。
オキシム型のピュアシーラントとアセトン型のピュアシーラントSタイプがあり、特にピュアシーラントSタイプは、低分子シロキサンの揮散を極限までおさえているのに加え、揮散する有機化合物質の大幅な低下も可能にしたタイプです。

特長

耐久性、耐熱性、耐候性に優れています。
低分子シロキサンの揮散がほとんどありません。
接着性に優れます。
1成分形なので、カートリッジから押し出すだけで施工でき、取り扱いが簡単です。
揮散する有機化合物質の大幅な低下を可能にしました。（Sタイプ）
ウエハー吸着試験で、従来タイプでは達成できない性能を発揮します。（Sタイプ）

用途

半導体および各種精密電子材料の製造・加工関連クリーンルームの内装目地やエアフィルターまわりなどのシール

色の種類

ピュアシーラント：ホワイト、ライトグレー、アイボリー、ダークアイボリー、クリヤー
ピュアシーラントSタイプ：ライトグレー、アイボリー

一般特性

項目			ピュアシーラント	ピュアシーラントSタイプ
硬化前		外観	ペースト状	ペースト状
		流動性	なし	なし
		タックフリータイム 23℃/50％RH min	3	3
硬化後	※1	外観	ゴム弾性体	ゴム弾性体
		密度　23℃ g/cm³	1.05	1.05
		硬さ　デュロメータA	44	37
		切断時伸び %	340	360
		引張り強さ MPa	2.70	2.60
	※2	50％引張応力 N/mm²	0.70	0.50
		最大引張応力 N/mm²	0.76	0.70
		最大荷重時の伸び %	70	100
		凝集破壊率 %	100	100
	※3	低分子シロキサン量 ppm	60	40
	※4	リン元素 ppm	1 >	1 >
		ホウ素元素 ppm	1 >	1 >
		アンチモン元素 ppm	1 >	1 >

（規格値ではありません）

※ 1：シート物性（JIS K 6249に準じて測定）硬化条件： 23℃/50％RHで7日間
※ 2： H型ブロック物性（JIS A 5758に準じて測定）
被着体：フロートガラス、硬化条件： 23℃/50％RHで14日間→30℃で14日間
※ 3：環状体3量体から20量体（D₃～D₂₀）までのトータル値。硬化サンプルをアセトンで抽出し、ガスクロマトグラフィーにて定量
※ 4： ICP発光分光法にて定量

データ

低分子シロキサンの抽出測定結果

■ サンプル作成

ピュアシーラント、ピュアシーラントSタイプおよび当社汎用品を2mm厚のシートに成形し、23℃/50％RHで7日間静置して硬化。

■ 抽出および測定方法

硬化させたサンプルを溶媒（アセトン）として抽出し、その抽出液をガスクロマトグラフィーにより測定した。

■ 測定結果

低分子シロキサン

抽出環状体	ピュアシーラント	ピュアシーラントSタイプ	当社汎用品
D₃	10 >	10 >	10 >
D₄	10 >	10 >	10 >
D₅	10 >	10 >	130
D₆	10 >	10 >	340
D₇	10 >	10 >	240
D₈	10 >	10 >	260
D₉	10 >	10 >	280
D₁₀	10 >	10 >	340
ΣD_{3 - 10}	－	－	1,590
D₁₁	10 >	10 >	400
D₁₂	10 >	10 >	460
D₁₃	10 >	10 >	670
D₁₄	10 >	10 >	870
D₁₅	10 >	10 >	1,020
D₁₆	10 >	10 >	1,170
D₁₇	20	10	1,190
D₁₈	20	10	1,220
D₁₉	10	10	1,260
D₂₀	10	10	1,630
ΣD_{11 - 20}	60	40	9,890

（規格値ではありません）

10 > ：検出限界

■ 抽出された低分子シロキサンのガスクロマトグラム

ピュアシーラント、ピュアシーラントSタイプの抽出低分子シロキサンは、
各環状体のうちD₁₇からD₂₀までの4種が検出され、
その合計はそれぞれ60ppm、40ppmであった。抽出環状体のほとんどについて、
当社従来品に比べ抽出量が極めて少ないことを示している。

■ 低分子シロキサン

低分子シロキサンの気相中揮散測定結果

■ サンプル作成

ピュアシーラント、当社汎用品をいずれも2mm厚のシートに成形し、23℃/50％RHで7日間静置して硬化。

■ 抽出および測定方法

硬化させたサンプル10gを密閉栓付きの1リットルビンに入れ、25℃と80℃でそれぞれ24時間密閉放置した後、活性炭チューブに1リットル気相分を吸引・吸着させ、その活性炭を四塩化炭素で抽出して熱分解ガスクロマトグラフィーで測定した。（この測定結果は、環状体以外のジメチルシロキサンもともに検出される）

■ 測定結果

低分子シロキサン揮散量　（単位： µg/l）

気相吸引条件	ピュアシーラント	当社汎用品
25℃ 24時間密閉後	1 >	610
80℃ 24時間密閉後	10	6,500

（規格値ではありません）

ピュアシーラントは、当社従来品に比べて低分子シロキサンの揮散量が極めて少ないことを示している。したがって、実際のクリーンルーム気相中の低分子シロキサンの揮散量は、さらに低いレベルになると推定される。

シリコンウエハー表面への発生ガス吸着試験結果（JACA, No.34-1999）

■ 測定方法

23℃/50％RHで7日間硬化させて作成したシリコーンシート（100mm × 100mm 厚み1mm）を5リットル容積の試験チャンバー内に23℃、24時間放置し、そのシートから発生する分子状汚染物質をシリコンウエハーに吸着させた。

■ 測定結果

シリコンウエハー表面への発生ガス吸着量（n-C₁₆H₃₄ 相当値）（単位： ng/cm²）

	ピュアシーラント	ピュアシーラント Sタイプ	当社汎用品	他社シロキサン対策品
シロキサン	0.01 >	0.01 >	1.7	0.34
シロキサン以外	1.40	0.04	1.8	1.39
トータル有機化合物	1.40	0.04	3.5	1.73

（規格値ではありません）