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製品情報
X-88-2005は、一液型のコーティング剤で脱エタノール型にもかかわらず室温で速やかに硬化被膜を形成します。
被膜形成時に発生する成分がエタノールであるため、従来の脱メタノール型オリゴマーよりも人体への影響が少ないです。得られた被膜は良好な撥水性、耐マジック汚染性、硬度を示します。
以下はシリコーンオリゴマー系コーティング剤の代表的な製品KR-400との比較データです。
項目 | X-88-2005 | KR-400 | |
---|---|---|---|
タックフリー(min) | <30 | 30-60 | |
鉛筆硬度 7日後 | 4H | 8H | |
水接触角*1(2μL) ° | 104 | 92 | |
水転落角*2(20μL) ° | 38 | 32 | |
耐クラック性 | 室温 | ○ | ○ |
150℃×2h 耐熱試験後 |
× | × | |
耐候性試験後 | × | × | |
耐マジック防汚性 | ○ | × | |
発生アルコール | エタノール | メタノール |
(規格値ではありません)
基材:磨き鋼板(鉛筆硬度試験以外)、ソーダガラス(鉛筆硬度試験) 塗布:バーコーター(wet 30μm), 硬化条件:25℃/50%RH
タックフリー:25℃/50%RHの環境下で評価
鉛筆硬度:硬化確認後、7日放置後に評価
耐クラック性(室温):製膜後1週間室温で放置し、被膜にひび割れ、剥がれが発生しないかを評価(変化なし:○ ひび割れ、剥がれ:×)
耐クラック性(150℃×2h耐熱試験後):製膜後1日室温で放置し、150℃×2h加熱、加熱~放冷後にひび割れ、剥がれが発生しないかを評価(変化なし:○ ひび割れ、剥がれ:×)
耐候性試験条件:255W/m2, 1000時間(基材:ガラス)水噴霧あり
耐マジック防汚性:硬化後1日室温で放置した後、油性マジックの書き込みをティッシュペーパーで拭き取れるかを評価(容易に拭き取れる : ○、拭き取れない×)
水接触角、水滑落角:硬化確認後、1日放置してから測定
撥水性試験映像
硬化性
下表に示すように、アルコキシ基がエトキシ基のシリコーンオリゴマーはアルコキシ基がメトキシ基のオリゴマーと比較して、硬化時間が遅くなります(KR-500 VS X-40-9282K, チタン触媒D-25を2 wt%添加して評価)
これに対し、X-88-2005は脱エタノール型にもかかわらず短時間でタックフリーに到達します。
また、触媒を添加する必要が無くそのまま利用可能です。
※ 2液型オリゴマーは硬化触媒の添加量でタックフリー時間を調節することができます。
下表の結果は1液型オリゴマーが2液型オリゴマーよりも硬化性に優れるということを表すデータではありません
2液型オリゴマー | 1液型オリゴマー | |||
---|---|---|---|---|
KR-500 | X-40-9282K | KR-400 | X-88-2005 | |
タックフリータイム(分) | 360 | 450 | 30-60 | <30 |
備考 | 汎用メチル系 | 汎用メチル系 | 汎用メチル系 | 特殊構造 |
アルコキシ | メトキシ | エトキシ | メトキシ | エトキシ |
基材:磨き鋼板 塗布:バーコーター(wet 30μm), 硬化条件:25℃/50%RH
タックフリー:25℃/50%RHの環境下で評価
撥水性
X-88-2005から得られる硬化被膜は良好な撥水性を示します。
膜厚は約30μm、試験片には磨き鋼板を用い、硬化を確認後1日静置して接触角計(共和界面科学製)で評価しました。
耐マジック汚染性
硬化被膜に油性マジックペン(有機溶媒型マーカー、マッキー極細:ゼブラ株式会社製)で線を描き、ティッシュペーパーで拭き取れるかを評価しました。KR-400(従来品)の硬化被膜は、書き込みをきれいに拭き取ることができませんでしたが、X-88-2005の硬化被膜は、書き込み量が少なく、さらに書き込みをきれいに拭き取ることができました。
耐マジック防汚性試験方法:
①タックフリー確認後、1日室温で放置
②油性マジックで書き込み
③書き込みの右側をティッシュペーパーで乾拭き
適用可能溶剤系 | 有機溶剤系 |
---|---|
適用可能樹脂 | シリコーン |
溶剤系 | 無溶剤 |
使用方法 | 主剤,添加剤 |
硬化方式 | 室温硬化 |
被膜の硬度 | 高 |
外観 | 無色~淡黄色透明液体 |
有効成分(%) | 100 |
標準硬化条件 | 25℃×30分(タックフリー) |
荷姿 | 50g,100g,1kg |
(規格値ではありません)
製品に関するお問い合わせ
X-88-2005
お問い合わせフォーム信越化学工業株式会社 シリコーン事業本部 営業第二部
03-6812-2407
関連資料
関連製品リスト
製品名 | タイプ | 硬化方式 | 溶剤系 | 使用方法 | 被膜の硬度 | 通称 | 概要 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
KC-89S | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | 高 | 低重合度メチル系オリゴマー | ・低分子 ・T単位のみで構成 ・高硬度の被膜を形成 ・コーティング剤のバインダーとして実績多い |
KR-515 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | 中 | 中重合度メチル系オリゴマー | ・KC-89Sより高分子化 ・T単位のみで構成 ・コーティング剤のバインダー、有機樹脂の改質剤として実績あり |
KR-500 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | 中 | 中重合度メチル系オリゴマー | ・KC-89Sより高分子化 ・T単位のみで構成 ・メチル系ではスタンダード製品 ・コーティング剤のバインダー、有機樹脂の改質剤として実績あり |
X-40-9225 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | 低 | 高重合度メチル系オリゴマー | ・KR-500より高分子化 ・T単位のみで構成 ・コーティング剤のバインダー、有機樹脂の改質剤として実績あり |
X-40-9246 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | 低 | 高重合度メチル系オリゴマー | ・D単位を導入し可とう性付与 ・コーティング剤のバインダー、有機樹脂の改質剤として実績あり |
X-40-9250 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | 低 | 高重合度メチル系オリゴマー | ・D単位を導入し可とう性付与 ・コーティング剤のバインダー、有機樹脂の改質剤として実績あり |
X-88-1004 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | 高 | 高密着、高硬度オリゴマー | ・SUSやアクリルなどの難接着基材にも密着性良好 ・高硬度で耐擦傷性良好 |
X-88-1007 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | 低 | 高密着、耐クラック性オリゴマー | ・SUSやアクリルなどの難接着基材にも密着性良好 ・耐クラック性、はっ水性良好 |
KR-400N | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | 高 | 高硬度メチル系オリゴマー | ・高硬度な被膜を形成 ・KR-400から硬化触媒を除いた製品 |
X-48-1500 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | - | 耐屈曲性オリゴマー | ・高硬度と耐屈曲性の両立 ・速硬化 |
X-48-1501 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | 高 | 高硬度、耐屈曲性、耐熱クラック性、耐衝撃性オリゴマー | ・高硬度、耐屈曲性、耐熱クラック性、耐衝撃性を併せ持つ被膜を形成 |
X-48-1600 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | - | エトキシ型、耐屈曲性オリゴマー | ・高硬度と耐屈曲性の両立 ・エトキシ基の脱エタノール反応で硬化 ・環境対応型(脱メタノール反応では無いため) |
KR-401N | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | 中 | 耐屈曲性メチル/フェニル系オリゴマー | ・可とう性のある被膜を形成 ・高光沢 ・KR-401Nから硬化触媒を除いた製品 |
KR-510 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | - | 改質用メチル/フェニル系オリゴマー | ・メチル/フェニル系のスタンダード製品 ・主に有機樹脂の耐熱性、耐候性改質目的で実績あり ・オリゴマー系コーティング剤に可とう性、耐クラック性の付与が可能 |
KR-213 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | - | 改質用メチル/フェニル系オリゴマー | ・改質用 ・可とう性、耐クラック性の付与が可能 |
X-40-9312 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | 高 | 高硬度、耐屈曲性オリゴマー | ・高硬度でありながら、耐クラック性を有する ・光照射後の耐黄変性、耐クラック性に優れる |
KR-400 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤 | 高 | 一液硬化型高硬度オリゴマー | ・一液タイプ(硬化触媒含有タイプ)のスタンダード製品 ・高硬度な被膜を形成 |
X-48-1407 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤 | 高 | 樹脂基材向け一液室温硬化型高硬度オリゴマー | ・ポリカーボネートをはじめとする、各種樹脂基材 に密着性を有する、無溶剤、低粘度、室温・速硬化タイプ |
X-40-2327 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤 | 中 | 一液硬化型速硬化オリゴマー | ・速硬化 |
KR-401 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤 | 中 | 一液硬化型耐屈曲性オリゴマー | ・耐屈曲性に優れる ・高光沢 |
KR-4000G | タイプA | 室温硬化 | 有機溶剤 | 主剤 | 低 | 一液硬化型高光沢オリゴマー | ・ツヤに優れる ・はっ水性、滑水性が良好 ・拭き上げ施工しても防汚性能を発揮する |
X-40-2450 | タイプA | 硬化しない(改質用) | 無溶剤(シリコーン分100%) | 改質剤 | - | イオン液体変性オリゴマー | ・樹脂への添加時に表面移行しやすい ・少量の添加で帯電防止性能を付与 ・離型性も併せ持つ |
X-40-9300 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | 耐アルカリ性、速硬化型オリゴマー | ・アルコキシ基の反応性が非常に高く速硬化 ・耐アルカリ性 ・耐水性 | |
X-40-9301 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | 耐アルカリ性オリゴマー | ・耐アルカリ性 ・耐水性 | |
KR-517 | タイプAR | 硬化しない | 無溶剤(シリコーン分100%) | 改質剤 | - | エポキシ基含有オリゴマー | ・アルコキシ基はメトキシ基とエトキシ基 ・エポキシ当量 830g/mol |
X-24-9590 | タイプAR | 硬化しない | 無溶剤(シリコーン分100%) | 改質剤 | - | エポキシ基含有オリゴマー | ・アルコキシ基はメトキシ基 ・エポキシ当量 590g/mol |
KR-516 | タイプAR | 硬化しない | 無溶剤(シリコーン分100%) | 改質剤 | - | エポキシ基含有オリゴマー | ・アルコキシ基はメトキシ基 ・有機置換基はエポキシ基以外にメチル基を併せ持つ ・エポキシ当量 280g/mol |
KR-518 | タイプAR | 硬化しない | 無溶剤(シリコーン分100%) | 改質剤 | - | メルカプト基含有オリゴマー | ・アルコキシ基はメトキシ基とエトキシ基 ・メルカプト当量 800g/mol |
KR-519 | タイプAR | 硬化しない | 無溶剤(シリコーン分100%) | 改質剤 | - | メルカプト基含有オリゴマー | ・アルコキシ基はメトキシ基 ・有機置換基はメルカプト基以外にメチル基を併せ持つ ・メルカプト当量 450g/mol |
KR-513 | タイプAR | 硬化しない | 無溶剤(シリコーン分100%) | 改質剤 | - | アクリル基含有オリゴマー | ・アルコキシ基はメトキシ基 ・アクリル当量 210g/mol |
X-40-9296 | タイプAR | 硬化しない | 無溶剤(シリコーン分100%) | 改質剤 | - | メタクリル基含有オリゴマー | ・アルコキシ基はメトキシ基 ・メタクリル当量 230g/mol |
KR-511 | タイプAR | 硬化しない | 無溶剤(シリコーン分100%) | 改質剤 | - | ビニル基含有オリゴマー | ・アルコキシ基はメトキシ基 ・ビニル当量 530g/mol |
KR-470 | タイプR | 熱硬化,UV硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | 高 | 脂環式エポキシ基含有環状シロキサン4官能オリゴマー | ・比較的低分子でエポキシ樹脂との相溶性に優れる ・環状シロキサン骨格を持ち硬化時の収縮が少ない |
X-40-2678 | タイプR | 熱硬化,UV硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | 中 | 脂環式エポキシ基含有環状シロキサン2官能オリゴマー | ・比較的低分子でエポキシ樹脂との相溶性に優れる ・環状シロキサン骨格を持ち硬化時の収縮が少ない ・2官能のため耐クラック性良好 |
X-40-2669 | タイプR | 熱硬化,UV硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | - | 脂環式エポキシ基含有直鎖シロキサン2官能オリゴマー | ・比較的低分子でエポキシ樹脂との相溶性に優れる ・直鎖状シロキサン骨格を持ちレベリング剤、濡れ性が良好 ・低粘度で反応性希釈剤としても有効 |
X-40-2728 | タイプR | 熱硬化,UV硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | 中 | グリシジル基含有環状シロキサン2官能オリゴマー | ・比較的低分子でエポキシ樹脂との相溶性に優れる・環状シロキサン骨格を持ち硬化時の収縮が少ない・2官能のため耐クラック性良好 |
X-40-2761 | タイプR | UV硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤,改質剤 | - | アクリル基含有耐屈曲性オリゴマー | ・耐クラック性の付与 ・アクリレートおよび各種光開始剤との相溶性に優れる |
KR-2710 | タイプR | 硬化しない | 無溶剤 | 改質剤 | - | ポリカーボネート難燃剤 | ・ポリカーボネート難燃剤 ・透明性良好 |
X-48-1800 | - | 硬化しない | 無溶剤 | 改質剤 | - | コールドブレンド改質用シリコーン | ・シラン変性アクリル樹脂向けコールドブレンド改質剤 ・耐候性、耐熱性、耐マジック汚染性、耐酸・耐アルカリ性向上 ・推奨添加量=樹脂固形分100に対し10~50部 |
X-48-1801 | - | 硬化しない | 無溶剤 | 改質剤 | - | コールドブレンド改質用シリコーン | ・イソシアネート硬化系樹脂向けコールドブレンド改質剤 ・耐候性、耐マジック汚染性向上 ・推奨添加量=硬化剤に対して3%~20%(NCO当量換算) |
X-48-5030 | タイプR | UV硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤 | 高 | 無溶剤UV硬化型ハードコート剤 | ・低粘度、耐擦傷性、低反り性に優れる |
X-48-5031 | タイプR | UV硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤 | 高 | 無溶剤UV硬化型ハードコート剤 | ・耐候性、低粘度、耐擦傷性、低反り性に優れる |
X-88-2003A | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤 | 高 | 高硬度、耐クラック、防汚コーティング剤 | ・高硬度と耐クラック性を両立・防汚性(はっ水性、滑水性、耐マジック汚染性)に優れる・一液速硬化タイプ |
X-88-2005 | タイプA | 室温硬化 | 無溶剤(シリコーン分100%) | 主剤 | 高 | 高硬度、脱エタノール、防汚コーティング剤 | ・防汚性(撥水性、耐マジック汚染性)に優れる・一液速硬化タイプ(脱エタノール型) |